生活習慣だけが原因じゃない!【いまさら聞けない糖尿病について理学療法士が解説します】
田舎の民間病院で理学療法士として勤務しているぴぴです。
みなさまにひとつでもためになるような知識や情報をお届けしていきたいと思います。
前回の記事に続き、今回は糖尿病の種類について解説していきます。
糖尿病の種類について
糖尿病の種類をざっくりと分類すると、
- 1型糖尿病
- 2型糖尿病
- 妊娠糖尿病
- その他の要因による糖尿病
に分けられます。
1型糖尿病
膵臓を構成する細胞にβ細胞(べーたさいぼう)というものがあります。
糖尿病の話題になるときによく耳にするインスリンは、β細胞が出していると言われています。
1型糖尿病は、β細胞が壊されてしまうことによって引き起こされる糖尿病です。
インスリンを出す力が弱まったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することで、血糖値が高くなってしまいます。
診断された場合には、インスリン製剤を使用して、注射でインスリンを補う治療が行われます。
世界的には糖尿病患者さん全体の約5%が1型糖尿病であると報告されています。生まれつき糖尿病である場合もあれば、小児〜青年期に発症する場合もあります。
2型糖尿病
2型糖尿病の主な原因も1型糖尿病と同様に、インスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することによって血糖値が高い状態が続くことが原因です。
しかし、2型糖尿病は生まれつきの病気とは異なり、
・食べ過ぎ
・運動不足
・肥満
などの環境的な影響があるといわれています。
遺伝的な要因もありますが、生活習慣によって糖尿病を発症する患者さんを2型糖尿病患者と呼ぶことが多いです。
血糖値を適正な範囲にコントロールするためには、普段摂取している食事や運動習慣を見直す必要があります。
お医者さんと相談の上で、飲み薬や注射を利用することもあります。
妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは、これまでに糖尿病と診断されていなかった方が、妊娠中に初めて診断される糖尿病です。
妊娠すると、妊娠前とは摂取した糖分の使用用途が変わります。
妊婦さん自身のエネルギー源にするだけでなく、お腹の赤ちゃんにも糖分を供給する必要があります。妊婦さんが空腹になっても赤ちゃんへの供給がストップするわけではないので、一時的に血糖値が下がり、めまいなどの症状を起こすことがあります。
また、妊娠中に胎盤から出るプロゲステロンなどのホルモンには、インスリンを効きづらくし、血糖値を上げる作用があります。
食後の血糖値が上がりやすくなるため、甘いものを少し食べただけでも尿糖検査に引っかかってしまうこともあります。
妊娠糖尿病は、出産後に戻ると言われていますが、妊娠糖尿病を経験すると、将来的に糖尿病になりやすくなるというデータもあります。
お母さんが高血糖だと、おなかの中の赤ちゃんも高血糖になり、さまざまな合併症が起こることがあります。
お母さんが高血糖の場合
- 妊娠高血圧症候群
- 羊水量の異常
- 肩甲難産
- 網膜症・腎症およびそれらの悪化
赤ちゃんへの影響
- 流産
- 形態異常
- 巨大児
- 心臓の肥大
- 低血糖
- 多血症
- 電解質異常
- 黄疸
- 胎児死亡 など
その他の要因による糖尿病
上記の糖尿病には分類されず、内分泌疾患や肝臓などの病気が原因のものや、治療薬の影響が原因で起こる糖尿病もあります。
まとめ
今回は糖尿病の種類について解説してきました。
いつまでも健康でいられるように、食生活や運動習慣について見直す機会になるとうれしいです。