定番和菓子の夏限定。文明堂「三笠山」のあまじょっぱい藻塩が効いたこし餡のしっとりどら焼き
「三時のおやつは文明堂♪」というキャッチフレーズを、懐かしいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。かつてCMにて一世を風靡した「文明堂」さんを代表するといっても過言ではないこちら。実際にテレビでは見たことが無い世代であっても、百貨店の売り場なんかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
銀座と日本橋に本店を持つ「文明堂」さんは、1900年長崎県にて創業されたお店。創業者である中川安五郎さんの弟・中川甚左衛門さんが1922年に東京進出をしたことを皮切りに、歴史が始まりました。つい昨年、東京進出100周年を迎えたばかりです。
昨今は新宿高島屋でのオリジナルブランドを生み出すなど、従来のブランディングに拘らない躍進を続けている文明堂さん。
カステラ以外にも人気の商品がありまして、それが「三笠山」。どら焼きのことですね。カステラで培われた技術が凝縮された皮と粒餡にほっと心安らぐ味わいですが、今回は夏限定のこし餡の三笠山をご紹介。
開封した瞬間に立ち上る蜂蜜や醤油、卵のコク深いまろやかな香りと、しっとりとした肌ざわりの皮が特徴の「藻塩三笠山」。日持ちする和菓子にありがちなぱさぱさとした感触は一切なく、しっとりと吸いつくような耳が閉じられた焼き皮。けれども、そこはカステラをも手掛ける職人の方々が織り成すどら焼き。ふわふわとした軽やかで心地よい歯ざわりながらも、和菓子特有の保湿性を兼ね備えた仕上がりに。ほんのり香ばしさも漂います。
そしてこのこし餡がまた夏らしい。舌でしっかりと感じられる塩気は丸みを帯びていて、塩辛さではなく、こし餡や皮の甘味を引き立ててくれるような味わい。尚且つさらりとした口溶けの良さも兼ね備えており、口の中でさっとひいていったかと思うと「もう一口食べたいな」という欲求を抱くほど。
日本人にはなじみ深い「あまじょっぱい」「甘辛い」といった味付け。ただのカステラやマドレーヌではなく、清酒やお醤油が配合された三笠山の皮だからこそ、和菓子としての美味しいまとまりに感じられるのではないでしょうか。こし餡の引き際の良さも、通常の粒餡の三笠山との良い意味での差別化を感じられて、思わず食べ比べしてくなってしまうほど。
製造日を含めお日保ちが13日程というのも、ちょっとした差し入れやおやつのストックにもぴったりですね。
店舗のほかオンラインストアでも購入可能です。