週末限定の箱根銘菓、ご存知ですか?「箱根ちもと」さんの白餡がたっぷり詰まった可憐な焼き菓子
今年はよく「秋がない」「秋っていつだったっけ?」というほど気温差が激しく、季節の移ろいがあまりにも急すぎてこちらまで落ち着かないような気分。
しかし、場所により例年より遅れていた紅葉も一気に加速し、やっと見事を迎えたところも多数。
色づいた木々と青翠の湖面のコントラストに目を奪われる芦ノ湖、紅の山々に囲まれた温泉、鮮やかなトンネルを駆け抜ける登山鉄道といえば箱根。特にこの時期は紅葉狩りを楽しむ方々で賑わう一大観光地です。
その箱根湯本駅のそばで暖簾を掲げて70年余りの「箱根ちもと」さんは、本店のみならず駅前にもお店を構えているということもあり、特に休日は客足が絶えない人気店。空気をたっぷり含んだ雲のような代表銘菓、湯もちが有名ですが、実は週末限定のレアなお菓子があるのです。
今回は箱根ちもとさんの「結び文初花」をご紹介。
なんともいじらしく可憐な菓銘は、明治〜昭和半ばまで活躍した作家、久保田万太郎がかつて箱根で生活をしていたという所縁もあることから。
焼き饅頭特有のケーキのような生地にくっきりと黄昏色に刻まれた初花の文字は艶やかで、さらっとした側面に散りばめられた模様を描くのは胡桃。そして中にたっぷりと包まれているのは白餡です。
胡桃のざくざくっという大胆な食感や野趣に富んだ渋みや香ばしさも全体を引き締めるアクセントになるのですが、こちらの胡桃は細かく刻まれているのでさくさくっと軽やかであり、たっぷり白餡が包まれてまろやかであっても食べ口が重くなりすぎず。穏やかかつ上品な胡桃の風味が立ち上ります。
購入した初日の仄かにさくっとし食感が底面に残る状態と、3日程経過して全体がぴたりと馴染んだ状態とぜひ食べ比べてみていただきたい神奈川県の指定銘菓です。
お日保ちも約5日間とお土産にもおすすめしたい結び文初花。定番のお土産もなかなか足を運べない方にとっては非常に喜ばしいお土産ですが、そこに「週末限定」というプレミアが加わったら…さて、ロマンスカーの空き状況をチェックしなくては、ですね!
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<ちもと・滝通り本店>
公式サイト(外部リンク)
神奈川県足柄下郡箱根町湯本509
0460-85-5632
9時~16時
定休日 元旦・他年5日程度