なぜ久保建英はこれほど早くスタメンを勝ち取れたのか?「トップ下」起用と、始まった逆襲のシーズン。
1部復帰のシーズンで、台風の目になるかも知れない。
マジョルカが好調を維持している。2019−20シーズン以来、およそ2年ぶりにラ・リーガ1部の舞台に戻ってきた。開幕からの2試合で1勝1分けと勝ち点4を積み上げており、残留に向けて上々のスタートを切っている。
そのマジョルカが、1部残留という至上命題を果たすために獲得した選手の一人が久保建英である。
久保にとっても、19−20シーズン以来のマジョルカでのプレーになる。開幕節ベティス戦で後半15分から途中出場すると、第2節アラベス戦では先発でピッチに立ち勝利に貢献した。
「タケは怒っていた。相手選手がレッドカードで退場になるべきシーンがあったと言っていたよ。彼は加入したばかりだが、多くの選手が彼を知っている。それは素晴らしいことだ」とはルイス・ガルシア・プラサ監督の言葉である。
「彼は徐々にリズムを掴んでいくはずだ。もう少し野心を持って、ペナルティーエリア内に侵入していく必要がある。だが私は彼のパフォーマンスに満足している。我々に多くをもたらしてくれるだろう」
■メディア・プンタの久保
今季初先発となったアラベス戦で、久保はトップ下に入った。【4−2−3−1】のメディア・プンタ(トップ下)の位置だ。奇しくも、これは東京五輪の森保ジャパンで久保に与えられたポジションでもある。
マジョルカは攻撃時に“5レーン”をとれるように工夫していた。
久保は右のハーフスペースに流れる。右ウィングのジョルディ・ムブラと左ウィングのダニ・ロドリゲスの両ウィングはワイドに張り、ダブルボランチの一枚が上がってくる。
このような形で、立つべき場所に人が立ち、ボールを動かそうとしていく意図は見て取れた。
ただ一方で、課題としては、この形で詰まった時に可変の形がないことだろう。動き直して、やり直すプレーというのが、現在のマジョルカにはできない。【4−2−3−1】から【4−3−3】の可変で上手くいっているように見えるが、その次の一手が打てないのが現状だ。
■守備時のマジョルカ
マジョルカは守備時に【4−4−2】を形成する。
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