海王星表面の温度が急激かつ大幅に低下していると判明!
どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。
今回は「海王星表面の温度が劇的に低下中と判明」というテーマで動画をお送りしていきます。
●海王星の基本情報
海王星は現時点で太陽系最遠の惑星です。
質量は地球の約17倍、直径は約4倍と、かなり巨大なガス惑星です。
海王星の表面の構造で有名なのが、黒い渦のように見える「暗斑」です。
暗斑の正体は、風速が最大で時速2,000kmに達する巨大な嵐です。
暗斑を発見したボイジャー2号は、現時点でも海王星を直接訪れた唯一の探査機です。
接近時に撮影されたこの美しい実写画像も非常に有名ですよね。
そんな海王星でも、火星や木星など他の惑星と比べると頻度は高くないものの、最新の発見が発表されています。
今回はつい先日発表された、「海王星の温度」にまつわる最新の話題について解説していきます。
●海王星の温度が急激に変化中!?
では今回の本題です。2022年4月11日とつい先日発表された研究成果によると、なんと海王星大気の温度が劇的に変化していることが判明したようです。
国際共同研究チームは、過去20年にわたって世界各地の天文台で撮影された約100枚もの海王星表面の主に南半球の赤外線データを分析し、過去にないほど詳細な海王星の温度変化を調べることに成功しました。
この画像では2006年、2009年、2018年、2020年時点で、赤外線で撮影された海王星の姿が掲載されています。
左3つがESOの大型望遠鏡「VLT」によって、一番右はすばる望遠鏡によって撮影された海王星の姿です。
2006年から2018年にかけて明らかに全体が暗くなっています。
これは明確な温度低下を示しており、より具体的には2003年~2018年の間になんと8度も寒冷化しているそうです!
海王星には地球と同様に十分な自転軸の傾き(約28度)があり、太陽に対する公転軌道上の位置によって四季が存在します。
ただし海王星は地球より約30倍も太陽から離れた位置を公転しており、公転周期は約165年と非常に長く、1つの季節が約40年も続くので、季節変化は非常にゆっくりなはずです。
そんな中これほど急激な温度変化が見られたのは奇妙です。
しかも、今回主に撮影された海王星の南半球は、2005年から現在に至るまでずっと夏です。
そのため表面温度は上昇すると予想されていたため、今回のような「急激な温度低下」はまさに予想外の発見でした。
そして今回の観測結果でさらに奇妙なのが、2018年から2020年のわずか2年の間に、南極の領域が急激に明るく、高温になっていることが示されている点です。
この短期間で実に11度も温暖化しているそうです!
過去の海王星の撮影データから、南極地点での緩やかな温暖化は確認されていたものの、ここまで急激な温暖化が観測されたのは史上初めてとのことです。
このような急激な温度変化は完全に予想外の発見であり、現時点では明確な原因については解明されていません。
温度変化の原因の可能性としては海王星大気の化学変化、偶然に発生した気象変化、太陽活動による影響などが挙げられていますが、正確なことを知るにはより詳細な追加観測が必要です。
現在観測地点で準備中の次世代宇宙望遠鏡である「ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡」による観測で、今回の謎が解明される可能性に期待されています。
このように、非常に研究が難しい海王星でも、度々新たな発見がもたらされています。
最近もたらされた海王星の大きな発見について以下の動画でまとめているので、併せてご覧ください。