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五輪優勝はブラジルにとって良かったのか。悪癖を治せないサッカー王国の憂鬱

杉山茂樹スポーツライター

ドイツに1−1延長PK勝ち。自国開催のリオ五輪を制したブラジルだが、ドイツとの差はネイマールがいるかいないか、そこだけだった。ネイマールがいなければ、あるいは、ドイツのオーバーエイジ枠にネイマールに匹敵する大物選手が出場していれば、ブラジルの優勝はなかったと思う。

五輪チームはA代表ではない。B代表でもない。よくてC。D、Eが妥当な線になる。言い換えれば、3軍か4軍か5軍。参加国によってバラツキがある。一定ではない。定義づけが難しい大会であるにもかかわらず、金メダル獲得に喜びを爆発させたブラジル国民。

ブラジルは2014年自国開催のW杯でドイツに準決勝で1−7で敗れている。今回のドイツ戦はその復讐劇だと報じられていたが、それには相当しないと思うし、そうだとしても、PK勝ちという結果はあまりにもショボい。合格点に満たない結果だ。2002年日韓共催のW杯で優勝を飾った後、右肩下がりを示しているその姿に、歯止めは掛かっていないと見る。

確かにドイツはブラジルにとって憎たらしい存在かもしれない。マラカナを埋めた観衆が、ドイツにブーイングを浴びせたくなる気持ちはよく分かる。だが少なくとも、サッカー的には見習うべき点が多々あるはずなのだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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