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【ジャパンカップ】前日単勝1.7倍のコントレイルは有終の美を飾れるか ベテランは"奇跡"を起こせるか

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
引退レースとなるコントレイル(左)が三冠を達成した菊花賞 日刊スポーツ/アフロ

前日オッズ1番人気はコントレイルで1.7倍

28日、東京競馬場でジャパンカップ(GI)が行われる。18頭フルゲートのうち、3頭の外国馬が参戦する。

 まず、前日オッズを確認しよう。

 1番人気は昨年のダービー馬で三冠馬のコントレイルで1.7倍。2番人気が今年のダービー馬のシャフリヤールで4.3倍。3番人気が先日アルゼンチン共和国杯を連覇したオーソリティで8.4倍と、ここまでが単勝1桁台。

 続く4番人気のユーハーレーベンは20.7倍なので、この3頭が大きく他馬を離して人気を集めている。

引退レースのコントレイル、課題は有観客でのゲート

 コントレイルはこのレースをもって引退、種牡馬入りすることが決定している。当日17時より引退式も行われ、東京競馬場から直接、馬産地へ移動するものとみられる。

 先日のマイルチャンピオンシップでグランアレグリアが優勝し、そのまま引退した。コントレイルは昨年の菊花賞以降、勝ち星がないのだが、グランアレグリア同様に有終の美を飾ることを期待するファン心理がオッズを一段と下げている要因かと察する。

■2020年 日本ダービー 優勝馬 コントレイル

 そして、過去10年のジャパンカップでは圧倒的に1枠が強い。2014年ジャスタウェイ(2着)、2016年キタサンブラック(1着)、2017年シュヴァルグラン(1着)、レイデオロ(2着)、2018年アーモンドアイ(1着)、2019年カレンブーケドール(2着)というかんじで強い馬が1枠に入ってしっかり結果を残している。

 前走の天皇賞(秋)ではゲートで落ちつかなかった。この中間は狭い場所でもおとなしくなるよう、プール調教を取り入れて対策を練っている。無観客の期間にダービー馬になったコントレイルだけに、有観客でのスタンド前での発走は気になるが、こればかりは矢作師が「頼むから出てくれ」と言うように、ただただ願うしかない。

■2021年 天皇賞(秋) 優勝馬 エフフォーリア (2着 コントレイル)

4世代のダービー馬が出走 注目はシャフリヤール

 今年のジャパンカップはダービー馬が4頭出走する。

 2016年 マカヒキ

 2018年 ワグネリアン

 2020年 コントレイル

 2021年 シャフリヤール

 ジャパンカップと同じ東京芝2400mを勝っている強みは大きい。

 日本ダービーを制した3歳馬が同年にジャパンカップを勝った例は、2001年のジャングルポケット1頭のみだが、シャフリヤールもその偉業達成を期待できるだけの素養がある。日本ダービーでシャフリヤールの2着に敗れたエフフォーリアは先日の天皇賞(秋)を制していることから、2021年の3歳馬世代は強いとみられている。前走の神戸新聞杯は4着に敗れているが、敗因は不良馬場とはっきりしている。春も緒戦の共同通信杯で3着に敗れており、ひと叩きされて結果を出せるタイプの馬である可能性もある。

8歳馬マカヒキ、心身ともに若く上昇気配

 先日の京都大賞典で約5年ぶりに勝利をあげた8歳馬のマカヒキだが、ひと叩きされて状態は上向ている。8歳馬だが24戦しかしておらず年齢の割に傷みが少ないそうだ。前走直後はさすがにダメージもあったが、幸い回復も早く、今回は叩いた上積みも見込めるという。

■2021年京都大賞典(GII) 優勝馬 マカヒキ

 7歳のキセキは菊花賞以降勝ち星をあげていないが、コンスタントに上位に食い込んでいる。状態は平行線だが、今年のメンバーはこれといった逃げ馬がいない。昨年のジャパンカップ同様、キセキの逃げに期待したい。

ルメール騎乗のオーソリティ

 オーソリティは骨折休養明けの前走・アルゼンチン共和国杯で57.5キロのトップハンデを克服して連覇している。中間の状態もよく、ひと叩きされて上昇ムードだ。これまでのGI成績はホープフルS5着が最高で、有馬記念14着、天皇賞(春)10着と芳しくないのは気になるが、どれも右回りコース。左回りの東京競馬場では4戦3勝2着1回、と成績も安定している。さらに鞍上がルメール騎手という点も任期を集めている要因だろう。

■2021年 アルゼンチン共和国杯 優勝馬 オーソリティ

外国馬、今年3頭出走だが…

 外国馬は過去10年のあいだに29頭参戦しているが、5着が最高着順だ。2005年のアルカセット以降、優勝馬も連対馬もいない。参戦頭数もかなり減っているとはいえ、データをみるとかなり苦しいとみられる。

言葉遊び馬券は ム「イト」オブリガード

 ちなみに前日オッズで単勝3桁台は、ムイトオブリガード、ウインドジャマー、ユーキャンスマイル、モズベッロ、ロードマイウェイの5頭。

 この中で事前に一部のファンのあいだで注目されていたのはムイトオブリガードの名前である。今秋のGI戦線は名前に「イト」が含まれているケースが多い。

スプリンターズS ピクシーナ「イト」

秋華賞 アカ「イト」リノムスメ

菊花賞 タ「イト」ルホルダー

エリザベス女王杯 アカイ「イト」

 なお、「イト」が含まれた馬が出走して必ず勝っているわけではない。天皇賞(秋)のペルシアンナ「イト」は7着だったし、エリザベス女王杯にはアカ「イト」リノムスメも出走している。

 「イ」と「ト」が連続していない馬も含めてよいなら、コン「ト」レ「イ」ルも該当する。

 ムイトオブリガードの単勝は前日オッズで170.4倍もつくので、お遊びで買っておくのも良いかもしれない。

2021年のジャパンカップは東京12レース

 なお、JRAのメインレースは11レースが多いが、2021年のジャパンカップは12レースとして行われる。日頃のクセで11レースを指定しないよう、ご注意いただきたい。

2021年ジャパンカップ枠順(筆者作成)
2021年ジャパンカップ枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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