『どうしたらもっと高く売れるか』を考えて実践することが栽培技術と同じくらい大事。
今年の春から、食と農にまつわる専門学校の生徒さんに毎週授業を行っています。
今回の記事は私が先日の授業の中で行ったことと、伝えたかったことについてです。
自分の頭で考えて行動できるように…
【間引いた野菜を袋詰めする】
という実習をしてみました。
大事なのはそこにどういう意味や学びを付加するかで、
『買いたくなる野菜はどっち?』
①サイズも向きもバラバラの収穫したままのものと、
②サイズと向きを揃えたもの
を並べて見せて問いかけたら、全員が揃ったものの方が良いと答えました。
普段、当たり前のようにスーパーに並んでいる野菜はみんな色形が揃っていますが、
実際の畑ではそうはいきません。
サイズ、色形を揃えるにはどういう野菜が良いのか?
一斉に形や大きさが揃ったものが出来やすい品種が良いか、
成長速度にバラツキのあるものが良いか。
虫食いがあるものが混じっているものがいいか、
なるべく虫食いが無いものが良いのか。
見栄えが良くて形を揃えて虫食いを減らすにはF1品種で農薬を使って栽培する方がやりやすい。
固定種で無農薬栽培でも手間さえ掛ければ、見栄えの良いものにできる。
だけど、その手間に見合う金額で買ってもらえるか?と言えばそうはいかない。
では、直接売ればよいか?
そうなると栽培とは別の販売や広告するコストやスキルが必要になってくる。
みたいな話を30分くらいでやってました。
プロ農家ではない私が授業をする意味
野菜栽培ということだけで言えば私は全然未熟で、特に農薬や肥料を使った栽培方法はやったことが無いので、テキストに書いてあることプラスアルファ程度のことしか教えられません。
でも、農に携わってのこの10年間、色んなことをやってきたからその経験と知識をフル活用して、生きた知識や考え方を教えていきたいと思って毎回の授業に臨んでます。
我ながら良い話をしてるとは思うんだけど、
まだ高校出たばかりで自分でお金を稼ぐということの経験が少ない学生たちにどこまで自分事として伝わっているのか。
たぶん、全然伝わって無いと思う(´౪`)笑
それでも良いんです。
自分が10代のころを思い出してみればそれが当然。
(私だって、いろんな経験を経て今の考え方やものの捉え方ができるようになったのだから)
『なんか聞いたことある』
って程度でも、全く聞いたことが無いに比べたら遥かにマシなわけで、
今はわからなくても必要に迫られた時に
『そういえば…!』
と思い出してもらえる瞬間が来ると思うから。
その為にも居眠りされないような面白い授業にしなければと思っております。