能登半島地震で断水でも、わずかな水で多くの人がシャワーを浴びられる装置
断水すると衛生を保つのが難しい
能登半島地震で断水が発生しています。石川県は、1月2日午後9時半時点で、能登地域を中心に県内12市町の少なくとも9万5000戸で断水が発生していると発表しました。水道インフラの破損のほか、停電の影響で浄水場や送水ポンプが動かないケースもあり、断水は長期化する可能性があります。
そうしたなか、被災地支援としてWOTA社がTwitterで以下のような呼びかけを行いました。具体的にどのような支援なのでしょうか。
水というと飲み水という印象がありますが、衛生を保つためにより多くの水が必要です。風呂、シャワー、手洗い、洗濯などです。たとえば日常生活でシャワーを浴びると、シャワーヘッドからは1分間に10リットルの水が出るので、10分シャワーを浴びると100リットルの水を使うことになります。断水すると衛生を保つのが難しくなってしまいます。
処理された水はWHOの水質基準を満たす
ですがWOTA社の「WOTA BOX」は、使用した水を高性能のろ過装置で浄水し、繰り返し使うことができます。
まず、ゴミポケットで排水の大きなゴミを取り除きます。次に、活性炭膜、逆浸透膜など6本のろ過フィルターで、小さなゴミ、せっけん成分、細菌、ウイルス、金属イオンなどを段階的に取り除きます。そして最後に、紫外線や塩素で殺菌・消毒を行います(上の写真)。このように処理された水はWHOの水質基準を満たしています。
日常では100リットルの水はシャワー1回分ですが、同量の水でシャワー100回浴びることができます。
上下水道施設が機能不全となり停電であっても、発電機があり、給水車などから100リットルの水を補給すれば、被災した100人がシャワーを浴びることができます。1人分の水で100人の衛生を保つことができます。
「WOTA BOX」は、これまでも被災地で活躍してきました。たとえば、2019年の台風19号で被災し、下水処理施設が機能停止した長野市では、6か所の避難所に計14台が導入されました。
98%以上の水を再利用する手洗い機
また、水道を必要としない独立型の手洗い機もあります。こちらも98%以上の水を再利用できるため、20リットルの水を一度補充すれば、連続で500回以上の手洗いができます。
導入されれば断水に苦しむ多くの方の衛生を保つことが期待されます。