ブンデスリーガで2試合連続ゴールの鎌田大地。恩師・福重監督との幸運を呼ぶ関係
高校卒業後、サガン鳥栖でプロサッカー選手になった鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト所属/1996年8月5日生/180cm/72kg)。高校時代の恩師である福重良一監督(京都 東山高校)は、卒業後も彼を見守り、数多くのやりとりをしていた。福重監督が試合を見に行けば、鎌田大地は活躍をした。そして、この福重監督への取材直後には、ブンデスリーガの舞台で初ゴールを決め、2試合連続ゴールをして、恩師を喜ばせた。そこにはテレパシーのような目に見えないふたりの絆が見えてきた。
(取材協力:Noriko NAGANO)
[Jリーグ観戦]
「練習の合間をみて、できるだけ試合を見に行くようにしていて、例えば、2015年の名古屋戦とかガンバ戦とか、見に行ったときには、常に1アシストとか1ゴールしてくれたんですよ。行くって言ってないし、活躍しそうな対戦カードを選んでるわけでもないのに、自然とそうなって。それで、僕がよく言うのは、『僕が見に行ったらいつも活躍するのに、なんで高校のときは僕がいつも見てたのに、最後の選手権は活躍せーへんかったんやって(笑)』」
[サガン鳥栖ラストゲーム]
(2017年6月25日 J1第16節 サガン鳥栖 2-1 浦和レッズ)
「ドイツ出発前、サガン鳥栖最後のセレモニーでは、10分近くちゃんとしゃべって、ええことをいろいろ言うてましたよ。あの日は試合後に、大地と奥さんと大地のご両親と一緒に博多でご飯を食べようって約束してたんです。セレモニーが終わったあと、大地が監督や社長といろいろやってるのとか、シャワーを浴びるのとか、大地が来るのをずっと待ってたら、大地が『ごめん。レッズの人らとご飯食べに行くことになったから、今日は無理やわ』って。柏木くんとかに誘われて、両チームの選手同士で行くからって。おまえさ、こんだけ待たせてそれかよって(笑)。まー、相変わらずやなってことで、大地抜きでご飯を食べに行きました」
[東山高校OB]
「大地は、年に1回はうちのグラウンドに来てくれるんですよ。ジャージで来て、体を動かして帰る。鳥栖のときなんか、うちのユニフォームを着て、練習試合のB戦に出てました。相手チームの監督に、あの子OBですけどすみませんって言うと、あーぜんぜんいいですよって。え、まさか、鎌田大地やんみたいな(笑)」
「どしゃぶりの雨の中、来たこともあって、そのときは2時間くらいうちのシュート練習につき合ってくれた。僕が遠征中に来たときには、Aのチームは遠征に行ってたんで、Bチーム、Cチームの子らと一緒に練習してくれた。去年の1年生なんか、Cチームのキーパーが僕のところに来て、『鎌田選手が僕にシュートを打ってくれたんです!』って言って感動してましたね」
[日本代表初選出]
(2019年3月22日コロンビア戦@日産、26日ボリビア戦@ノエスタ)
「初めて日本代表に呼ばれたキリンカップでは、途中出場とフル出場でしたけど、大地がすごくいい動き出しで裏に抜けてるけど、パスが出ない。パスが遅れて出てきてオフサイドというのがあって、これはうまく合ったら代表でもできるんちゃうかって思いましたね。教え子で日本代表に選ばれたのは、鎌田大地が初めてなんですよ。それはすごく僕もジーンときましたね。やっとそういう子が出てきたんやなって」
[高校サッカーから世界へ]
「高校サッカーからなんとか原石を磨いてプロにしたいっていうのが僕の指導者としての最初の目標やったんです。ただ、こうやって大地が日本代表や海外に行くことによって、やっぱり世界も考えなあかん、もう一個上のことを目標にして指導してあげなあかんって、考えるようになりました」
「大地はチャンピオンズリーグで優勝できるチームでやってみたいって言うんですよね。僕もチャンピオンズリーグで活躍してる彼を見たいです。チャンピオンズリーグで活躍する前に、まずカタールワールドカップで。僕が応援に行ってる姿を僕はイメージしています」
(本文写真:福重監督提供)