創業130年を超える人気店の「若竹水ようかん」芝明神榮太樓さんの体に染みわたるひんやりこし餡
暖簾分け、という制度をご存知でしょうか?実は身近なお店も、あの老舗の暖簾分けだったり、このお店の屋号はあそこと同じ!と思ったことがあるかもしれません。
グルメが歴史に興味がある方は聞き覚えがあるかもしれませんね。
東京都のお花見の名所としても人気の高い港区大門駅前に広がる増上寺や芝公園。東京プリンスホテルや東京タワーといった観光地も近く、お花見のオフシーズンでもインバウンドの旅行客で賑わう場所です。
その大門駅から徒歩2~3分程の商店街に暖簾を掲げるのが、創業1885年「芝明神榮太樓」さん。こちらは日本橋に本店を構える飴やお団子などでも有名な老舗、榮太樓總本舗さんから暖簾分けされたお店となっており、屋号の松に刻印された「榮太樓」の三文字をご覧になってハッとする方もいらっしゃるはず。
お店には榮太樓總本舗さんのお菓子も並びますが、今回は残暑厳しい季節にも嬉しい「若竹水ようかん」をご紹介。
竹藪の梢と皮のせせらぎが聞こえてきそうな佇まいの竹筒の水ようかんは一般的な竹筒の水ようかんよりも小ぶりな食べ切りサイズが嬉しいですね。しゅるり、と紐を解けば、奥ゆかしさを醸しながら姿を現す青竹。
ぱかっとお弁当箱のように上下で別れているのでそのまま楊枝などでいただけるのですが、ついついしたくなるんですよね。片方からそっと押し出したくなるのです。
仄かに青みを帯びた水ようかんを口へと運んでひと噛みすれば、わずかに弾力を宿した寒天の食感とそこからじゅわりと滲む心地よいまろやかさの蜜。さぁっと竹の涼香が口の中に広がり、そこから鼻に抜けると同時に溢れてくる穏やかなこし餡の風味と甘味に喉が潤います。
確かに輪郭がはっきりとした甘さはあるものの、スッと引き際も良いので気が付くと次のひとくちを迎えようとしているのです。飲めてしまうというと語弊があるかもしれませんが、それだけ口馴染みの良いこし餡なので、ひんやりとした温度感と相まってひとりひとつでは足りないかも…終わらないで、夏とついつい口に出てしまいそうです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<芝明神榮太樓>
公式サイト(外部リンク)
東京都港区芝大門1-4-14
03-3431-2211
9時~19時(土曜~14時)
定休日 日曜