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大谷翔平が並んだアジア人本塁打記録保持者のチュ・シンス 「同じ東洋人として尊敬し応援します」

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
チュ・シンス(写真:SSGランダーズ)

ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が現地時間11日(日本時間12日)に今季47号ホームランを放ち、メジャーリーグ(MLB)での通算本塁打が218本になった。

これにより大谷は2020年までレンジャーズに所属した韓国人選手、チュ・シンス(秋信守)が持つ、アジア出身打者のMLB最多本塁打記録に並んだ。

チュ・シンスにMLBで活躍を続ける大谷について、現在の所属チームである韓国KBOリーグのSSGランダーズを介して訊いた。

大谷が自身の本塁打記録に迫ったことについてチュ・シンスはこう答えた。

「すべての記録は時が経てば破られるものだと思っています。大谷選手のことはMLBに進出した時から打者だけではなく、投手としてもMLBの他の選手とはレベルが違うと感じていました。なので私が記録保持者であることはそう長くは続かないだろうとも思っていました」

チュ・シンス(写真:SSGランダーズ)
チュ・シンス(写真:SSGランダーズ)

チュ・シンスは大谷のことをどう見ているのか。

「大谷選手とはなかなかタイミングが合わず直接顔を合わせたことはないのですが(ともに2018年から20年にアメリカンリーグ西地区でプレー)、才能と身体条件だけではなく野球に対する姿勢が常に本気で全力です。それはとても大事なことだと思って見ていました」

「特に高校時代から野球人生の計画をしっかりと描いていたというのを知って、本当にすごい選手になるだろうと想像していました。今の姿は一朝一夕にできたものではなく、計画通り体系的に努力して作られたのだと思います。メジャーリーグの中でも『本物のメジャーリーガー』だと思っています」

大谷に向けてチュ・シンスはメッセージを寄せた。

「アジア選手最多本塁打記録だけではなく、『50-50(50本塁打50盗塁)』という大記録も迫っていて、歴史上誰も残せなかった成績を生み出そうとしていることに同じ選手として、同じ東洋人として尊敬します。そして大記録を達成できるよう応援します。いつかチャンスがあれば会いたいです」

レンジャーズ当時のチュ・シンス(写真右)
レンジャーズ当時のチュ・シンス(写真右)写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

1982年生まれ、42歳のチュ・シンスは今季限りでの現役引退を公言している。今季の年俸は本人の希望で、KBOリーグ最低年俸の3000万ウォン(約330万円)に設定。全額を寄付し、事実上無給でラストイヤーを送っている。

今季の成績は77試合に出場、打率2割8分2厘、5本塁打、37打点、5盗塁(9月11日現在)。

◇チュ・シンスMLB成績

年度 チーム   率  試 安 本 盗

2005 SEA   .056 10 1 0 0

2006 SEA/CLE .280 49 44 3 5

2007 CLE   .294 6 5 0 0

2008 CLE   .309 94 98 14 4

2009 CLE   .300 156 175 20 21

2010 CLE   .300 144 165 22 22

2011 CLE   .259 85 81 8 12

2012 CLE   .283 155 169 16 21

2013 CIN   .285 154 162 21 20

2014 TEX   .242 123 110 13 3

2015 TEX   .276 149 153 22 4

2016 TEX   .242 48 43 7 6

2017 TEX   .261 149 142 22 12

2018 TEX   .264 146 148 21 6

2019 TEX   .265 151 149 24 15

2020 TEX   .236 33 26 5 6

通算      .275 1652 1671 218 157

SEA=マリナーズ、CLE=インディアンス、CIN=レッズ、TEX=レンジャーズ

⇒ SSGランダーズ紹介(ストライク・ゾーン)

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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