日本労働弁護団が雇用問題について議員・政党アンケートを実施・・その結果は??
議員・政党へのアンケート調査を実施
12月5日、日本労働弁護団が実施した雇用問題についてのアンケート結果が公表されました。
その簡単なレポートです。結果詳細は下記URL先です。是非、ご参照ください。
前議員アンケート==
解散時に衆議院議員だった候補者へのアンケート(回答125人)では、
(1)先の国会で提出されていた派遣法改正への賛否
(2)いわゆる残業代ゼロ制度に対する肯否
(3)非正規労働者と正規労働者の均等待遇についての肯否
を問いました。
先の国会で廃案となった派遣法改正案への態度は?
与党の圧倒的多数が賛成なのは、自らが出した法案なので当然ではありますが、面白いのは、公明党は回答した4名のうち2名が、自民党でも1名が「このままでは不安」を選択しているというところです。
与党議員の中にも、やはりあの派遣法改正案がそのまま通っては将来に不安があると思っているということになります。感覚としては健全ですが、ではあの法案を出した責任はどうなるのだろうという矛盾が残ります。
また、維新の党や次世代の党などの雇用規制緩和を推進する政党でも「不安」を選択する前議員が多いあたりも特徴といえるでしょう(次世代の党については反対が2名います)。
民主、共産、生活、社民は回答者は全員「反対」となっています。
残業代ゼロ制度については?
いわゆる残業代ゼロ制度については、まだ法律案はできていませんが、これを推進する内容を含む閣議決定があります。
しかしながら、自民党で1名、公明党で2名の前議員が「不安」を選択しています。
野党で賛成者がいるのは維新の党と次世代の党です。このあたりは規制緩和の推進を是としている政党の特徴が出ています。ただ、維新の党でも不安を選択した前議員は6名おり、賛成の人数を上回っています。また、反対も2名おり、この問題に対して政党として意見がまとまっていないことがうかがわれます。
共産、社民は全員が反対。民主、生活は若干名が「不安」で残りは反対となっています。
非正規労働者と正規労働者の均等待遇は?
これについては、さすがに反対する人はいないよな・・・と思ったら、自民党のみおりました。その数4名・・・。
1名の前議員は理由として「非正規労働者の待遇改善については大いに検討すべきであるが均等待遇という単純な問題ではない」と述べており問題意識はあるようですが、残りの3名は理由さえなく、均等待遇は検討もしないで「反対」ということのようです。
とんでもない人がいたものですね。。。(^_^;)
政党アンケート
政党アンケートは日本労働弁護団女性労働プロジェクトチームが実施しました。
詳細は日本労働弁護団のホームページをご覧ください。
最大の特徴は、自民党の回答は「その他」が多く、さすがに政権党らしい曖昧な態度ということでしょうか・・・。
非正規雇用について
「同一業務につき、派遣労働者を受け入れることのできる期間の規制について、意見をお聞かせください」との問いでは、前出の派遣法改正案を出している与党は当然規制緩和だろうと思いきや、なぜか公明党は規制の厳格化を回答しています。
この回答と派遣法改正案でやろうとしていることが激しく乖離しており、どういうことなのか、とても謎です。
ちなみに、次世代の党がぶっちぎりで規制緩和推進の回答が多いですね。いったい次世代に何を残したいのでしょうか。
長時間労働問題について
「労働時間規制(残業代)の適用除外を、管理監督者以外の労働者についても一定の範囲の者に拡大する制度(エグゼンプション)について、賛成ですか」という問い。
これは、いわゆる残業代ゼロ制度について問うてるものです。
これについては、賛成は次世代の党のみ。さすが。
反対は、民主、維新、共産、生活、社民。
与党は「その他」となっています。賛否を明らかにしていません。
「長時間労働の是正のため、以下のいずれの方向の政策が有用だと思いますか」という問いで、
・労働時間の上限規制,時間外割増の加重など厳格な規制を設ける。
・労働時間の規制を緩和し、労働者が自由な働き方を選択できるようにする
という、規制強化か緩和かを尋ねたところ、
緩和を明言したのは次世代の党のみ。・・・・もう何も言いますまい。
規制強化は、民主、維新、共産、生活、社民。
公明党は両方を回答するという矛盾に満ちた回答となっています。
自民党は「その他」です。
働く人が安心して働き、普通に生活できる社会を
私の見解としては、これは何度も言っていますが、派遣労働者を激増させる施策である先の国会で廃案となった派遣法改正案に賛成する政党や議員は信用ならないと思っています。
また、長時間労働は労働者の健康・命の問題です。それを危険にさらす「残業代ゼロ制度」もあってはなりません。
働く人が安心して働き、普通に生活できる、そういう社会を目指す政党の候補者が多く当選することを願っています。