今回の参議院選挙で起きた珍事!?
今回の参議院選挙の結果、与党は参院で過半数を維持したが、改憲勢力では参院の3分の2を割り込むこととなった。
そんな中、当選者の顔ぶれで、これまでにない選挙結果となった。元来、多様な候補者が立候補する参議院選挙だから、今回が初めてということが起きても不思議ではない。いくつかあるが、その1つは何か。
今回の参議院選挙の投票率が低く、50%を割った。ただ、50%を割ったことは、過去にもあった。それは、1995年の参議院選挙で、44.52%だった。今回の投票率は、それよりかは高かったから、過去最低を更新したというわけではなかった。
今回の選挙から、参議院議員の定数が増えた。選挙後の定員は、245となる。ただ、参議院議員の定数が最も多かったのは、1974年から2001年までの252で、次回の2022年の参議院選挙後に248となってもまだそれよりかは少ない。
今回の参院選の結果、都道府県知事経験者の参議院議員が、非改選を合わせて6名になった。これが、かつてない記録となった。
元知事である当選者は、北海道選挙区選出の高橋はるみ氏(自民党)、神奈川県選挙区選出の松沢成文氏(日本維新の会)、滋賀県選挙区選出の嘉田由紀子(無所属・野党統一候補)、大阪府選挙区選出の太田房江氏(自民党)、岡山県選挙区選出の石井正弘氏(自民党)の5人である。
このうち、参議院選挙で当選経験がない新人は、高橋氏と嘉田氏の2人で、この2人が加わって、公示前の4人から6人に増えて、(公選の)都道府県知事経験者の参議院議員が過去最高となった。ちなみに、太田氏は、初当選した時は比例代表区だったから、大阪府選挙区での当選は初めてとなる。
そして、非改選の参議院議員には、長崎県選挙区選出で元知事である金子原二郎氏(自民党)がいる。
6人の元知事の参議院議員は、自民党ばかりでなく、野党でも2人に増えたのも、今回の選挙結果である。そして、元知事の候補者は、今回の選挙では全員当選した。
元知事は、全県区の知事選挙で当選を経験している。その意味では、参議院の選挙区選挙も、定数は異なれど、全県区の選挙だから、知事経験者には選挙経験と知名度が有利に作用しているのかもしれない。