セは巨人、パはソフトバンクが優勝。客観的データのみでの順位予想。
昨季トリプルスリーの2人が今季は首位打者に?過去3年のデータから個人成績を予想
毎年、年明けからオープン戦の時期にかけて多くの評論家達によって順位予想が行われる。ただしそれらは全て主観に基づいたもの。人によって野球観が異なるため予想順位はバラバラだ。例えば今季の広島については「マエケンの抜けた穴が大きい」という声がよく聞かれるが、それはペナントレースにどれほどの影響を与えるのだろうか。
過去の統計データからは「前田が投げた206イニングを他の投手でまかなうと今季の広島は失点が35点前後増えるため、昨季から5勝分減る」というような見方が出来る。季刊誌 Baseball Timesの最新号では過去3年間の1軍成績から今季の個人成績を予想している。打点や得点、セーブなどは周りの影響を受けやすいためか記載が無いが、かなり細かい成績まで予想しており例えばヤクルト・山田は638打席552打数で176安打を放ち打率.319、35二塁打、2三塁打、33本塁打、99三振、1犠打、4犠飛、76四球、5死球、OPS.972となっている。これによればソフトバンク・柳田は.332 159安打、26本塁打、78四球、109三振、OPS.993と予想されているが、日本ハム・大谷は11勝5敗、防御率2.43 WHIP1.04で打者としては.239(142打数34安打)、6本塁打、OPS.717と少し寂しい数字が並ぶ。今季が正念場となりそうな選手では、巨人・阿部は.253(391打数99安打)、19本塁打、OPS.818で全盛期ほどではないが長打力は健在とする一方、そろそろ立場が危うくなってきた日本ハム・斎藤は3勝3敗、防御率4.05、WHIP1.52でローテーション入りは厳しいと予想。個人タイトルを見てみるとセリーグの最多勝は広島・ジョンソンが14勝で獲得、パリーグは大谷、オリックス・金子、ソフトバンク・武田、楽天・則本が11勝で並んでいる。勝ち星は投球内容と必ずしも一致しないためかエース級の投手にしては全体的にやや低めの数字となっている。首位打者は.319の山田と.332の柳田と予想されておりやはり近年のこの2人の打棒は抜きん出ていることが改めてわかる。
主観を除いた客観的な順位予想でもやっぱりソフトバンクは強かった
さらに各チーム全選手の予想成績を合計して1試合当たりの平均得点を割り出し143を掛ければチーム総得点、投球回と擬似防御率とも考えられるFIPからはチーム総失点のおよその数字が浮かんでくる。この2つがわかれば妥当な勝率を予想することが可能だ。計算式は、得点の2乗÷(得点の2乗+失点の2乗)でピタゴラスの定理と似ているためピタゴラス勝率と呼ばれている。得点と失点が同じなら勝率は5割、得点が失点より多いほど勝率が高くなり、その逆なら低くなる。これに当てはめると今季の予想順位は
セリーグ
優勝 巨人
2位 広島
3位 ヤクルト
4位 阪神
5位 DeNA
6位 中日
パリーグ
優勝 ソフトバンク
2位 西武
3位 日本ハム
4位 楽天
5位 オリックス
6位 ロッテ
パリーグはAクラスとBクラスがはっきり分かれており、下位3チームは団子だ。ただし故障により主力が長期離脱したり、昨季のロッテ・清田のようなブレイクがあれば戦況は一変する。加えてルーキーや新外国人選手はNPBでのデータが無いため予想成績は未掲載。そういう意味では高山、横田、ヘイグが開幕スタメンに名を連ねることが確実な阪神は良い意味でも悪い意味でも不確定要素が大きい。また、期待の若手でも1軍実績が乏しければ数値は低くなっている。オープン戦で結果を残したロッテ・井上、西武・山川などがシーズンでもOPS.900を超えるような活躍が出来れば昨季3位と4位のチームがソフトバンクの対抗馬となり得る。データ通りにならないことも野球の面白みの1つ。秋に笑うのはどのチームか。