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NPBの「15勝デュオ」は21世紀に入って5組。「20勝デュオ」は絶滅か

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、和田毅、岩隈久志、内川聖一 NOV 15, 2014(写真:アフロスポーツ)

 同じシーズンにそれぞれ20勝以上を挙げたチームメイトは、1973年に阪神タイガースで24勝と22勝の江夏豊上田二朗を最後に、40年以上も現れていない。そもそも、近年は「20勝投手」ですら稀だ。21世紀(2001~19年)のシーズン20勝以上は4人。2003年に阪神で20勝の井川慶と福岡ダイエーホークスで20勝の斉藤和巳、2008年に東北楽天ゴールデンイーグルスで21勝の岩隈久志(現・読売ジャイアンツ)、2013年に東北楽天で24勝の田中将大(現ニューヨーク・ヤンキース)だ。

 一方、2リーグ制がスタートした1950年以降、「15勝投手」が皆無だったシーズンは2000年だけ。21世紀に限っても、延べ76人がシーズン15勝以上を挙げ(20勝以上の4人を含む)、そのうち、同じシーズンに同じチームで記録した「15勝デュオ」は5組を数える。

筆者作成
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「20勝デュオ」は絶滅した感もあるが、「15勝デュオ」は今後も出てきそうだ。過去3年は途絶えているものの、2015~18年は、一方が15勝以上でもう一方が14勝を挙げた「あと1勝で15勝デュオ」が1組ずついた。過去10年のうち、「15勝デュオ」も「あと1勝で15勝デュオ」もいなかったシーズンは、2012年と2014年、2019年の3度。2011年の福岡ソフトバンクホークスでは、D.J.ホールトンが19勝、和田毅が16勝、攝津正が14勝を挙げているので「あと1勝で15勝トリオ」だ。

筆者作成
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 なお、最後の「20敗デュオ」は1962年に近鉄バファローズで23敗と21敗の黒田勉久保征弘、「15敗デュオ」は1988年に南海ホークスで15敗ずつの藤本修二山内和宏。また、最後の「20敗投手」は1977年にクラウンライターライオンズで20敗の東尾修、「15敗投手」は2013年に北海道日本ハムファイターズで15敗の吉川光夫だ。吉川は、現在も北海道日本ハムにいる。2016年11月にトレードで読売へ移り、昨年6月にトレードで北海道日本ハムへ戻った。

 姉妹編の「40本塁打デュオ」は、こちら。

NPB史上8組目の「40本塁打デュオ」を結成するのは、どのチームの2人!?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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