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ホームランを1本もぎ捕られても、ポストシーズンのOPSは1.615。歴代でこれより高いのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨーダン・アルバレス/捕手はヨナ・ハイム Oct 18, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月18日、6回表にヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)が打ち返したボールは、センターのフェンスを越えた直後、レオディ・タベラス(テキサス・レンジャーズ)のグラブに収まった。このポストシーズン7本目のホームランではなく、3本目の外野フライとなった。

 この日、アルバレスは2本のシングル・ヒットを打ち、その前に死球でも出塁したものの、今年のポストシーズンのOPSは、試合前の時点より下がった。それでも、7試合でOPS1.615だ。試合数が少ないとはいえ、10打席以上の71人中、アルバレスの他にOPS1.400以上を記録しているのは、OPS1.526のトレイ・ターナー(フィラデルフィア・フィリーズ)だけ。各リーグに1人、ということだ。

 ちなみに、タベラスにもぎ捕られた打球がホームランになっていたとして計算すると、アルバレスのOPSは1.800となる。

 今年の2人を除くと、1度のポストシーズンで20打席以上に立ち、OPS1.500以上の選手は、見落としがなければ13人だ。30打席以上に限ると4人、2008年にOPS1.747のマニー・ラミレス、2002年にOPS1.559のバリー・ボンズ、2004年にOPS1.557のカルロス・ベルトラン、1989年にOPS1.509のリッキー・ヘンダーソンしかいない。今年、アルバレスとターナーは、すでに30打席に達している。アルバレスは30打席、ターナーは34打席だ。

筆者作成
筆者作成

 アルバレスの6本塁打は、ニック・カステヤノス(フィリーズ)を1本上回り、今年のポストシーズンに出場している選手の最多。10月18日の2打点を含め、ここまでの10打点は、最多タイだ。J.T.リアルミュート(フィリーズ)と並んでいる。

 なお、1度のポストシーズンのホームランは、2020年にランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)が打った10本が最も多く、打点は、2011年にデビッド・フリーズが挙げた21打点が最多だ。

 アストロズは、10月18日のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第3戦に勝利を収めた。シリーズは1勝2敗だ。0勝2敗となったチームのその後については、こちらで書いた。

「0勝2敗からワールドシリーズ進出は「3連敗→4連勝」のレッドソックス以外にもあるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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