ノート(197) なぜ郵便不正事件を巡る国賠訴訟で国は請求を認諾したのか?
~尋問編(3)
受刑176/384日目
似ていない「似顔絵」
前日の夕刊やこの日の朝刊では、前日の10月18日に大阪地裁で行われた証人尋問について報じられていた。証言のポイント部分に力点が置かれていたものの、黒色ジャージ上下の服装を含め、かなり詳しく正確に報道されており、傍聴席で取材をしていた記者の集中力や再現力の高さに驚かされた。
元上司に対する複雑な思いを吐露した場面や感極まって涙ながらに証言したことなどにも言及されており、記者らは元上司に告白したという証言に信用性があると考えているものと思われた。
残念だったのは、「似顔絵」が全く似ていなかったことだ。マスコミ各社に依頼された「法廷画家」が傍聴席の前方に座り、法廷内の様子を描いたものだ。裁判中は写真や動画の撮影が禁止されているので、その代替となっている。
ただ、入退廷時などにチラリと被告人や証人の横顔が垣間見えるだけで、尋問中は後ろ姿を眺めているわけだし、原稿の締め切り時間との関係でスピードも要求される。似ていなくても致し方がない事情もあるが、本人からすると「さすがにこれは酷すぎる」と言いたくなるスケッチも現にある。
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