シリアのアル=カーイダはフリーメイソンのイドリブ・ロッジだったのか?
シャーム解放機構はフリーメイソンと関係があるのか?
シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者が、フリーメイソンのロゴがプリントされたTシャツを着た男性と並んでいる写真がSNSを通じて拡散され、話題となった。
火付け役となったのは、反体制系サイトのAll4syriaを運営し、「和平のためのシリアキリスト教会」の会長としても活動を行うアイマン・アブドゥンヌール氏。
同氏は8月7日、ツイッターに以下のように投稿した。
反体制系サイトのEldorarによると、話題となった写真は、8月6日にジャウラーニー指導者がハマー県のハルファーヤー市を訪問した際に撮影されたもの。
アブドゥンヌール氏の投稿に対して、SNS上では、この男性がシャーム解放機構の関係者ではないか、ジャウラーニー指導者の護衛ではないかといった憶測が飛び交った。
シャーム解放機構が釈明
騒ぎを受けて、シャーム解放機構のメディア・コミュニケーションの責任者だというタキーッディーン・ウマル氏が報道声明を出し、次のように釈明した。
シャツを来ていた本人もビデオ・メッセージを発表
フリーメイソンのロゴがプリントされているシャツを着ていた男性本人のビデオ・メッセージも「自由北部人」を名乗るツイッターのアカウントを通じて発表された。
ズィヤード・ジャールードを名乗るこの男性は、ハマー県ハルファーヤー市の出身だと明らかにしたうえで、「シャーム解放機構を含むいかなる組織にも加わっていない一市民だ」と述べた。
また、フリーメイソンのロゴについては「読めないし、書けない」などとしたうえで、ビデオ・カメラの前でTシャツを焼却した。
なお、ビデオを公開した「自由北部人」は、「シリア革命」に加わるムジャーヒドで作家の「アブー・ムハンマド・シャマーリー」なる人物のアカウント。
アイコンとして使用している旗は、シャーム解放機構に支配地域の自治を依託されているシリア救国内閣が「国旗」として使用している旗を模したもの。
(「シリア・アラブの春顛末記:最新シリア情勢」をもとに作成)