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侍ジャパン女子代表、開幕戦を逆転勝利で7連覇へ好発進 「第9回 WBSC女子野球W杯・グループB」

中川路里香フリーランスライター
7回連続の世界一を目指す侍ジャパン女子代表選手たち

 女子野球の世界一を決める大会、WBSC女子野球ワールドカップの「カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」が13日、三次きんさいスタジアム(広島県三次市)で開幕した。7連覇を目指す侍ジャパン女子代表(以下、侍女子)はプエルトリコと対戦し、4対2と逆転勝利し、幸先の良いスタートを切った。

 現在行われているグループステージは、大陸予選を勝ち抜いた12チームがグループA、Bに分かれ、ファイナルステージ出場を賭けて総当たり戦に挑む。来春、カナダで行われるファイナルステージへの出場権は、各組上位2チームと、ワイルドカードとして3位のチームに与えられる。侍女子はグループBから出場を目指す(グループAは、8月8日~13日にカナダで開催された)。

侍ジャパン女子代表 集中打で鮮やかに逆転

PUR 002 000 0 2

JPN 000 400 x 4

【バッテリー】

PUR J.RIVERA-J.ORTIZ

JPN 小野寺-村松

 岸田裕子内閣総理大臣夫人による始球式でスタート。スタンドには平日夜にもかかわらず主催者側の発表によると1500人もの観客が来場し、選手らに声援を送った。

 試合は、序盤に硬さが見え、プエルトリコに2点先制を許した侍女子だったが、4回に4番・川端友紀の中前安打を皮切りに3連打で満塁とすると、7番・村松珠希が同点適時打を放つなど、一挙4得点と逆転に成功。2点のリードをもらった先発・小野寺佳奈は、5回以降を三者凡退に抑えて完投、投打に持ち味を見せた勝利となった。

「普段しないガッツポーズをしながら走った」村松珠希 

 捕手として小野寺をリードしつつ、打撃でも小野寺を助けた。4回裏の1死満塁から、同点適時打を放ち、4点目のホームを踏む大活躍。その場面について「先に点をとられながらもピッチャーが踏ん張って投げてくれていたので、とにかく彼女を楽に投げさせたいという一心で打席に立ちました」と振り返った。相手の2点目は、バッテリーミスによるもの。「監督からは失敗は気にしなくて良いと言って貰いましたが、何で(ミスを)返せるかなと思いました。繋ぐよりも自分がランナーを返そうと」速球を振り抜いた打球は、中前へ。2者が帰る同点打となった。

 選手たちは『女子野球を当たり前の文化に』を合言葉にジャパンのユニホームを着ている。所属する、はつかいちサンブレイズのある広島県は、まだまだ女子野球の認知度が低いと感じている。「憧れて貰えるようなプレーを見せたい」と話し、次戦での活躍も期待できそうだ。

村松珠希選手が振り抜いた打球はセンター前へ、同点タイムリーとなった
村松珠希選手が振り抜いた打球はセンター前へ、同点タイムリーとなった

「スタンドからの声援が力に」 小野寺佳奈

 序盤は硬くなり先制を許してしまった。「0点に抑えてチームを勝利に導く」ことを考え、マウンドに上がった。プエルトリコの選手らは体格が良くパワーがある上、どんどん振ってくる。「簡単に外野に持っていかれるから厳しいところをつかないと」と自らプレッシャーをかけ過ぎてしまったと反省。それでも終わってみれば12奪三振。「持ち味のストレートで四隅に投げられたのが良かった」と振り返った。5月に香港で行われたアジア杯では地元の声援に押され気味だったが、今回は自国開催。スタンドからの声援が力になったと話した。次の登板は未定も「しっかり準備して臨みたい」と観客を味方につけさらなる躍動を誓った。

12奪三振の快投を見せた小野寺佳奈投手
12奪三振の快投を見せた小野寺佳奈投手

中島梨沙監督の談話

「国際大会独特の立ち上がりで、選手たちに硬さが目立った。プエルトリコの選手たちは、空振を恐れずにどんどん振ってきて、ベンチから見ていても怖さがあった。2失点後も満塁のピンチだったが、小野寺が2三振を奪いそれ以上の点を与えず切り抜けてくれ、バッテリーが良く踏ん張ったと思う。そこが勝敗を分けた。全体を通して小野寺のボール自体は良かった。

 (村松)珠希がタイムリーを放ったときのスタンドの盛り上がりに鳥肌が立った。彼女へは『お疲れ様。次もよろしくね』と声を掛けました(笑) 

 ベンチにいても観客の大声援が届いていて、ホームアドバンテージを感じる。次戦からもジャパンのどのチームにも負けないスキルの高さ、攻撃面ならバントの正確さに加え長打力もあるといった隙の無い野球を見せたいし、観て欲しい」

(写真は全て筆者撮影)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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