大森駅北口から徒歩約10分の山王一丁目にスパイスカレーの店「S^n（SAN）」が2024年6月21日にオープンしました。

駅からの行き方はジャーマン通りから山王小学校がある通り「山王小学校通り商店街」に入り、ずーっとまっすぐ行った品川区に入るすぐ手前。

飲食店や美容室などが並び、明るい色の木の扉がお店の目印になります。

スパイスカレーの店「S^n（SAN）」は、今注目されている「間借り営業」のお店ですので看板はありません。

さっそく、金曜日にお店に行ってみました。というのも「S^n（SAN）」は金曜日限定の間借り営業になっています。

店内はこぢんまりしてカウンターの5席のみになります。落ち着いた木調のカウンターとペンダントライトの灯りが雰囲気よく素敵。席から店主さんの距離が近くアットホームな親しみやすい雰囲気です。

そんな店内に合う大田区出身の店主さんの作るスパイス香る創作カレーがとても丁寧に作られている最高な一品ですのでご紹介したいと思います。

金曜日限定「週替わりのカレー（2種盛）」選べるミニドリンク付き（1,300円）

訪れた日のメニューは、チキンカレーとあさりのミルクキーマカレーでした。「週替わりのカレー」は、月替わりカレーと毎週変わるカレーの2種盛りと副菜が2〜3種類付きます。

「チキンカレー」は、チキンがゴロゴロしてしっかり煮込まれたトマトなどの野菜はほぼ形がありません。黒い粒はマスタードシードになります。

スプーンですくったチキンは柔らかく、口の中でホロリと溶けるような食感。マスタードシードは粒のまま入っており、噛むとプチンと弾け、鼻にツンと香りが抜けました。

「ミルクキーマカレー」はコリアンダーの香りが広がるマイルドな味でした。

アサリとさっぱりした鶏のひき肉、少し長めの粒はクミンシードで大きな丸い粒はコリアンダー、黒い粒はマスタードシードになります。アサリはプリプリで新鮮さを感じます。

店主さんのこだわりは、後からライムを絞ること。爽やかな香りとともに、素材の味が一層引き立ちます。

スパイスの香りの中でも、特にコリアンダーが一番に感じられ鼻の奥まで広がりました。後からミルクの甘さと、マスタードシードの刺激的な風味があり癖になる味です。

店主さんは、スパイスに魅了されてカレー店を何店舗も行って研究されたそう。「S^n（SAN）」では、カレーごとに独自にスパイスを調合して時間をかけて創作カレーを作っています。粒のまま使用したりグラインダーを使ってホールスパイスをパウダー状にして舌触りも工夫しています。

「ホールスパイスを機械で挽いている時、家中がすごい良い香りになるんです。」と嬉しそうにお話されていました。

副菜3種は、長芋の青のりバター、赤玉ねぎの品種の一つアーリーレッドのアチャール、おくらの塩こんぶ和えでした。

色鮮やかな副菜は、一つ一つ味が違い丁寧に作られています。長芋は青のりの和風な香りでホッとして、アーリーレッドは甘酢で口の中がさっぱり、ネバネバのおくらは昆布の旨味があり、カレーとの味の変化も楽しめます。

ご飯はカレー専用のお米を使用。黒米も一緒に炊いていますので色が少し赤みがあります。

使用しているカレー専用米は、高級品でもあるインディカ米「バスマティライス」と甘みや香りが強い「ジャスミンライス」、お馴染みの「日本米」が掛け合わされています。

香り米が入っていますので炊き立ては独特な香ばしさがガツンとするそう。ご飯のみで食べると、香ばしさとほのかな独特な香りがします。噛むともっちり甘くそのままでも美味しいです。

この日は、お試しで青唐辛子がピリッと効いた「ココナッツのふりかけ」も添えられていました。ご飯にかけるとこれだけで何杯でもいけそうです。

カレーは混ぜる派？ 混ぜない派？

最初は、一つ一つを味わいたかったので順番に食べましたが、「S^n（SAN）」のカレーは混ぜて食べても美味しく食べられます。こんなにいろいろなスパイスの香りがしているのに喧嘩しないのが不思議です。

「これは全部混ぜて食べても良いですか？」とお聞きしたところ、「最後に混ぜて食べるのを目指して作っています。」と目がキラリと輝いた店主さん。カレー2種盛りと副菜の3種類は、混ぜることでさらなる美味しさを引き出すように工夫されているそうです。

さっそく混ぜて食べると奥深い味わいになりさらに食が進みました。狙いにズバッとハマった瞬間ですね。

ミニドリンクも付いてます

飲み物はオープン当初から試行錯誤を重ね、現在では「選べるミニドリンク」となっています。アイスコーヒー、ラッシー、炭酸水500mlから選べます。

「カレーを食べるとコーヒーが飲みたくなりませんか？」と言っていた店主さんオススメのアイスコーヒーを選びました。お腹いっぱいな食後に3口ほどで飲めるサイズのアイスコーヒーは、微糖で口の中のカレーの後味がリフレッシュされた感じがしました。

そして、「選べるミニドリンク」はプラス300円でビールに変更も可能。この日は、「HEARTLAND（ハートランド）」「SINGHA BEER（シンハービール）」「サッポロ生ビール黒ラベル」の3種類の瓶ビールが用意されていました。

アジアンなビール「SINGHA BEER（ビールシンハービール）」など、どれもカレーとの相性抜群です。スパイスカレーの種類や気分にあわせてペアリングするのも良さそうですね。

2024年9月現在のメニューは、月ごとに替わるの1種盛りの「月替わりのカレー」（1,200円）と月替わりと週替わりのカレー2種盛りの「週替わりのカレー」（1,300円）です。どちらも選べるミニドリンク付きになります。

「毎週いろいろな種類のカレーを食べてもらいたい。」という店主さんの想いから毎週通っても味の変化や香りの違いが楽しめます。色々なカレーを楽しめるので、常連になる方も多いそうですよ。

「S^n（SAN）」の想い

可愛い店名「S^n」。本当の意味は、「Sのn乗」だそうです。太陽（sun）と海（sea）と大空（sky）の恵みからの食材と香る（scent）スパイス（spice）が感覚やスタイル（style）にハマり、人が集まって繋がっていくお店を目指していきたい、と言う店主さんの想いが込められている店名になります。

夢だったお店を開くにあたり、ご自身の仕事などの都合で1日のみの「間借り営業」で始めました。ゆくゆくは実店舗をオープンしたいと思っているそうです。センスの良い店主さんが作るお店は素敵な予感がしますね。まだまだ先になりそう、とのことですが今から楽しみです。