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1年前の巡洋艦モスクワ撃沈時のネプチューン地対艦ミサイル発射動画が初公開

JSF軍事/生き物ライター
元ウクライナ大統領代行オレクサンドル・トゥルチノフ氏の投稿動画よりネプチューン

 ちょうど1年前に撃沈されたロシア海軍の巡洋艦「モスクワ」をウクライナ軍が攻撃した時の地対艦ミサイル「ネプチューン」の発射動画が初めて公開されました。公開したのは過去にウクライナ大統領代行や最高議会議長を務めたこともあるオレクサンドル・トゥルチノフ氏のブログやSNSなどです。

 発射車両はネプチューン量産仕様のチェコ製タトラT815-7トラックで、本来は4連装ですが発射筒は2本のみ搭載しています。発射されたネプチューン対艦ミサイルは白色ないし明るい灰色の塗装で、動画の周囲の木々の特徴は昨年12月にウクラインスカ・プラウダ紙が初めて報じた巡洋艦モスクワ撃沈時のネプチューン発射の写真と一致しています。

 ウクライナ軍のネプチューン地対艦ミサイルはロシアの侵攻にぎりぎり間に合った国産の開発したばかりの新兵器で、開戦前のスケジュールでは最初の1個大隊の編成完了が2022年4月予定でした。2月24日の開戦時にはまだ完了できていなかったのです。ネプチューン1個大隊は4連装発射機が6両で1斉射24発、予備弾含め3斉射分72発が定数ですが、開戦のごたごたで4月の実戦投入時に定数の充足が完全ではなかった可能性があります。

 本来は4連装発射機なのに発射筒を2本だけ搭載していたり、発射車両が1両のみで作戦を実施した理由はそのあたりにあるのかもしれません。

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軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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