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「サイクルヒット&サヨナラ本塁打」はアレナードが史上6人目。ただし、サヨナラ本塁打で達成は5人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ノーラン・アレナード(コロラド・ロッキーズ)Jun 16, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

コロラド・ロッキーズのノーラン・アレナードが、6月18日にサイクルヒットを達成した。1回裏に三塁打、4回裏にシングルヒット、6回裏に二塁打を放ってリーチをかけ、7回裏の打席は三振を喫したが、9回裏にサヨナラ本塁打を叩き込んだ。

イライアス・スポーツ・ビューローによると、サヨナラ本塁打&サイクルヒットはアレナードが6人目だ。ケン・ボイヤー(1961年)、セイザー・トーバー(1972年)、ジョージ・ブレット(1979年)、ドワイト・エバンス(1984年)、カルロス・ゴンザレス(2010年)が成し遂げている。6人のうち、ビハインドからの逆転サヨナラ本塁打は、アレナードしかいない。

ただ、調べてみると、サヨナラ本塁打でサイクルヒットを達成したのは、アレナードが5人目だった。ブレットは16回裏にサヨナラ本塁打を打ったが、8回裏にも本塁打を放っており、14回裏の二塁打でサイクルヒットを完成させた。

ちなみに、ボイヤーとエバンスも、延長戦に入ってからサヨナラ本塁打を打った。また、アレナードの場合は、8回裏が終わった時点でロッキーズが1点リードしていた。9回表を無失点に抑えれば、試合はそこで終わっていた。ジェイク・マギーの3失点が、結果的にアレナードの快挙を生んだ。

なお、ゴンザレスとアレナードの2人は、ともにロッキーズの選手として、サイクルヒット&サヨナラ本塁打を記録した。クアーズ・フィールドは三塁打の出やすい球場だ。6人しかいないのだから当然かもしれないが、1チームで2人が達成しているチームは他にない。

ゴンザレスは現在もロッキーズにいて、アレナードがサイクルヒット&サヨナラ本塁打を達成した試合にも出場した(4打数1安打だった)。一方、ゴンザレスが達成した時、アレナードはロッキーズの組織内にいたものの、まだメジャーデビューはしていなかった。当時のアレナードはプロ2年目で、傘下のアッシュビル・ツーリスツ(A)でプレーしていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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