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今年のドジャースとメッツのように3勝2敗/2勝3敗となった過去のシリーズはどう決着したのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
エドウィン・ディアズ(ニューヨーク・メッツ)Oct 18, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月18日のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦は、ニューヨーク・メッツが12対6でロサンゼルス・ドジャースを下した。

 メッツは、1回裏にピート・アロンゾのホームランで3対0とリード。そこからのスコアは、3対1→8対1→8対2→10対2→10対5→10対6→11対6→12対6と推移した。メッツのクローザー、エドウィン・ディアズは、5点リードの8回表からマウンドに上がり、2イニングを投げて試合を締めくくった。

 ドジャースは、第1戦に7イニング無失点のジャック・フレアティが打ち込まれた。前日までのポストシーズンで10打数1安打のアンディ・パヘズは、1打席目のシングル・ヒットに続き、2打席目と3打席目にホームランを打った。

 試合序盤の展開については、こちらで書いた。

「メッツはミラクルを起こすのか。初回に無死二、三塁を凌ぎ、その裏にアロンゾが3ラン本塁打」

 シリーズは、ドジャースの3勝2敗、メッツの2勝3敗となった。

 1リーグ3地区となってからのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、今年が59シリーズ目と60シリーズ目だ。1995~2023年の58シリーズ中、5試合を終えた時点で3勝2敗/2勝3敗は、60.3%の35シリーズを数える。それ以外は、4勝0敗/0勝4敗の4試合で終了が8シリーズ(13.8%)と、4勝1敗/1勝4敗の5試合で終了が15シリーズ(25.9%)だ。

 3勝2敗/2勝3敗の35シリーズ中20シリーズは、3勝2敗のチームが第6戦に勝ち、ワールドシリーズ進出(=リーグ優勝)を決めている。あとは、3勝2敗のチームが第6戦に敗れて第7戦に勝ったシリーズが5度、2勝3敗のチームが第6戦も第7戦も勝ったシリーズは10度だ。3勝2敗のチームのシリーズ突破が25度(20度+5度)、2勝3敗のチームのシリーズ突破は10度。それぞれの割合は、71.4%(25/35)と28.6%(10/35)となる。

 2018年のドジャースは、今年と同じく、5試合を終えて3勝2敗だった。このシリーズは、第6戦に敗れ、第7戦に勝っている。アウェー→ホーム→アウェーなので、今年とは逆。ミルウォーキー・ブルワーズがホーム・フィールド・アドバンテージを持っていた。白星と黒星の推移も違い、2018年は●○●○○(●○)、今年は○●○○●だ。

 メッツは、1999年と2006年が、5試合を終えて2勝3敗だった。

 アトランタ・ブレーブスと対戦した1999年は、3連敗から2連勝と巻き返したが、第6戦に敗れた。第5戦は、15回裏にロビン・ベンチュラが「サヨナラ・グランドスラム・シングル」を打った。打球はフェンスを越えたので、通常なら満塁本塁打(グランドスラム)だが、ベンチュラは、二塁へ達する前に歓喜するチームメイトに囲まれ、それ以上は進まず――ベンチュラが打席に入った時点のスコアは3対3だった――記録はシングル・ヒット(単打)となった。第6戦は、同点の11回裏、1死三塁から、ケニー・ロジャースチッパー・ジョーンズブライアン・ジョーダンを敬遠四球で歩かせ、アンドルー・ジョーンズに四球を与えた。

 2006年は、セントルイス・カーディナルスと対戦し、第6戦に勝ち、第7戦に敗れた。第7戦は、9回表を迎えた時点で1対1。その回にヤディアー・モリーナが打ったホームランにより、カーディナルスが3対1でメッツを退けた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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