「あなたは そこにいるだけで 価値がある」by 山本太郎 タローがコータローを応援
タローがコータローの応援に駆けつけた。4議席を12人で争う激戦の参院選大阪選挙区。聴衆の中には籠池夫妻の姿もあった。そして山本太郎は最後に梅田で夢を語った。「あなたはそこにいるだけで価値がある」という社会を作りたいという夢を。
山本太郎とたつみコータロー 党派を超えて
森友事件やコンビニの長時間労働の追及で知られる共産党のたつみコータロー参議院議員。その応援のため、党派を超えてれいわ新選組の山本太郎参議院議員が大阪にやってきた。11日午後1時から、まずはJRと京阪の京橋駅をつなぐ広場で。きょうは雨だがここは上を京阪電車の線路が走っていてぬれずに済む。
現場では開始の1時間ほど前から、そろいの青いTシャツを着た人たちが選挙ビラを配っていた。共産党は支持層が高齢化していると指摘されるが、たつみさんの場合はSNSの呼びかけで20代から30代前半くらいのボランティアが集まり「たつみコータロー応援チーム」を結成。共産党の人たちと一緒に活動している。
しばらくして、たつみコータローさん本人も姿を見せた。駆け寄って握手を求める人が絶えない。そのうちの一人、山崎情児さんは、京都でコンビニ店を経営している。フランチャイズの本部が傘下の店に24時間営業を強要し、長時間労働を強いられる問題について、たつみさんが国会で追及したことから、支援するようになった。「たつみさんは私たちのために闘ってくれた。共感する経営者は多いですよ」こうしてたつみさんは従来の保守層にも支持を広げているようだ。
山本太郎はたつみコータローを国会に戻すためにやってきた
午後1時、現場にはすでに大勢の人たちが集まっている。そこにお待ちかねの山本太郎さんが現れた。沸き起こる拍手と「太郎ちゃ~ん、ガンバレ~」のかけ声が飛び交う中、タローさんはコータローさんとがっちり握手。そしてマイクを握ると「大きな音でお騒がせして申し訳ありません。京橋駅前でマイクを握らせて頂いていますのは、山本太郎と申します。よろしくお願いします!」再び拍手と歓声が沸き起こった。
「きょう大阪に入った理由は、たつみコータローさん、絶対に国会に戻さんとダメですよって皆さんに言うためです」
「私とたつみコータローさん、13年の参議院選挙で国会に送って頂いた、いわば同期。その同期の中でも図抜けた知能才能を持った方だと思ってます。たつみコータローさんは参議院のエース、日本の宝!」
「権力側に嫌われるぐらいの追及、それだけじゃないですよ、膨大の資料の中から丹念に掘り下げて、それ見つけてきたか!っていうことの連続なんですよ」
国家の私物化は許せない 予算は国民のために
続いてマイクを握ったたつみコータローさん。「森友事件で隠ぺい、公文書の改ざんまで安倍政権は(近畿財務局の)職員にさせた。それが元で自ら命を絶った職員も出ました。まじめな職員だった。だけど皆さん、まさにこの公文書の改ざんをさせた張本人は、今も国会でウソをつき通しています。絶対に許されません」
「国有地がタダ同然で売却されちゃった。国家の私物化です。国の予算は、安倍さんのものでも、昭恵さんのものでも、トランプ大統領のものでもない。国民一人一人のために使われるのが国の予算なんです」
籠池夫妻も姿を見せた
森友事件と言えばこの人。主役の一人、森友学園元理事長の籠池泰典さんと妻の諄子さん。この夫婦も現場に訪れていた。演説を聞きながら時折、拍手や声援を送る。周囲にいた人たちが籠池夫妻の存在に気づき、握手を求めていた。
「熱のある演説だったね、2人とも。演説は熱がなきゃダメやね」
演説で評価したところを尋ねると
「山本太郎さんもたつみコータローさんも基本は一緒。目線が民の目線、民衆目線。上から目線じゃない。一緒にやりましょう、皆さんの力を貸して下さいという姿勢がいいんじゃないですかね。そして大企業優先の施策をやめること、もうかってるならそこから取ったらいい、消費税はやめること。そういうとこやね」
2人の演説は大阪・梅田でも行われ、籠池夫妻も訪れた。そこで報道陣や聴衆に囲まれ一句を求められた籠池さん。
「風すがし 選挙演説 さわやかに」
するとすかさず諄子さん「ちょっと、もひとつです」周囲から笑いが起きた。諄子さんは籠池さんの最も身近にいる厳しい批評家だ。
太郎さんに聴衆から寄せられる献金
梅田での演説が終わり、太郎さんが街宣車から降りると、聴衆が周りを囲み握手や記念撮影を求める。さらに、近くにいた太郎さんの選挙スタッフに1万円札を差し出す人も相次いだ。支援の気持ちから寄せられる献金だ。こんな光景、他の街頭演説ではなかなかお目にかかれない。
2人の候補を同時に応援するのはなぜ?
この後、山本太郎さんは、なんば高島屋前でマイクを握った。今度は立憲民主党から立候補しているかめいし倫子さんを応援するためだ。かめいしさんはネットで「美人すぎる弁護士」と言われている。この日の現場でも聴衆の男性から「美人や~」とかけ声が飛んでいた。
ここで太郎さんがまず話したこと、それは…「たつみさんとかめいしさん、2人の候補者を応援するって、いったい何考えてんのかって言う方いらっしゃいますけど、何を言ってんですか。大阪は4つ議席があるんですよ。その2つを野党側で取りにいかないでどうするんですか!」
なにわで最後は山本太郎自身に投票を求めた
山本太郎さん、なにわ最後の演説会場は、大阪有数の人通りがある梅田のヨドバシカメラ前。周辺には数え切れないほどの聴衆が集まった。2階の通路からのぞいている人も大勢いる。午後7時、山本太郎さんが姿を現した。沸き起こる歓声と拍手。大人気だ。ここで行うのは誰か他の候補の応援演説ではない。山本太郎さんは、自分で立ち上げたれいわ新選組から比例で立候補している。ここでは自分自身とれいわ新選組のための街頭演説を行った。
「まっとうな賃金を払えば人は集まる。それをしていないのがこの国。そこを変えなきゃいけない。力を貸して下さい」
「皆さん、2枚目の投票用紙はどうか、山本太郎とお書き下さい。比例の候補は全国どこからでも投票できます」
「大阪選挙区で私が推しているのは2人。たつみコータローさん。この人は本物です。落とさんといて。かめいし倫子さん、弁護士なのに金にならない仕事ばかりしてきた。大阪の皆さん、力を貸して下さい!」
「あなたはそこにいるだけで価値があるっていう社会を作るのが政治なんですよ。それ実現したいんです。生産性で人を計らせない、そんな社会作っていきましょう!」
地鳴りのような「タロー」コールと拍手が、しばらく鳴り止まなかった。
【執筆・相澤冬樹】