「獄中のひまわり」刑務所で無実訴える元俳優の絵画展
自宅に放火し内縁関係の女性を殺害した罪で服役しているが、一貫して無実を訴えている元俳優の男性が、刑務所で描き続けている絵を紹介する「獄中のひまわり」という絵画展が、刑務所のある徳島市であす13日から2日間開かれる。
この男性は本名・平野義幸さん(58)。かつて「大地義行(だいち・よしゆき)」という芸名で活躍した元俳優で、ヤクザ映画「新・仁義なき戦い。」のほか、「JUNK FOOD」「荒ぶる魂たち」「新・仁義の墓場」などの作品に出演した。
しかし2003年1月、京都市内の自宅に火を付け同居していた内縁関係の女性を殺害したとして放火殺人の疑いをかけられ、無期懲役の刑が確定。現在は徳島刑務所で服役しているが、一貫して無実を訴えている。
「オレは極悪人で、どうしょうもないバカ。だけど絶対にやってない!」
その後、火災を目撃した第三者の「平野さんは女性を必死に助けようとしていた」という証言も出て、平野さんは訴え通り無実ではないのかと考える支援者も徐々に現れるようになった。そして、この無実の訴えを多くの人に知ってもらうため、平野さんが刑務所で描き続けている絵を紹介する「獄中のひまわり」展が開かれることになった。
絵を描き始めたのは、日頃お世話になっている方や、応援や支援をしていただいている方へのお礼のつもりだったという。展示会を開くことについて「そんなつもりもなかったので、嬉し、恥ずかし(笑)といった感じではあります」と語っている。
以下は平野さん自身のメッセージだ。
「ナゼ、私が『ひまわり』を多く描いているのかというと、ひまわりは『太陽(soleil)』だからです。私に光を与えて下さるからです」
「長い間、私は光を浴びることがありませんでした。ずっと、一人で無実を叫んでいた。でも、今、光を与えて下さる方々がいます。その喜びと感謝の思いで『ひまわり』を描いています。私も『ひまわり』のようになれればいいな!との思いで、これからも無実を訴えつつ描いていきます。どうか私を助けて下さい」
この「獄中のひまわり」展は5月13日(土)と14日(日)の両日、午前10時から午後5時まで、徳島市沖浜東2-16の「ふれあい健康館」で開かれる。主催は「平野義幸さんを支援する会」。代表の青木惠子さん(59)は、自身も放火殺人の濡れ衣を着せられ、20年以上をかけて完全な無罪を勝ち取った「東住吉えん罪事件」の当事者として知られる。