【京都市西京区】夏休みの自由研究出来た僕のたき火台 精密カー部品の技術で野外グッズ ソロキャンプにも
西山山麓大原野で大原野神社の近くにある町工場、創業55年になる「有限会社上田製作所」で2024年8月23日に「工場見学と焚き火台の製造ツアー」の第1回が行われ、夏休みの自由研究にと親子連れ3組が参加しました。
従業員15人の上田製作所は、最大公差±0.05という異形線材の高精度切断加工技術や「線材」と呼ばれる細い鉄の棒の精密曲げ、抜き加工などの高い技術力で、大手自動車メーカーが製造するトランスミッションに使われる部品の製造などを行っています。
この日、神戸や大阪から参加した親子たちは、四代目上田健太さんと工員らの案内で、切断、磨く、曲げる、検品などの工程が精密機器と工員たちの匠の技によって正確に行われていく様子を間近で見学。その技術に大人も子どもも「すげっ」と思わず感嘆の声を上げていました。
見学の後は、アウトドアブランド「MULTI SOLO」の軽量たき火台の制作体験を行いました。組み立て用のステンレス棒を磨く作業を体験した後、「人の手では曲げることができないステンレスの棒も専用の機器を使って力を加えると曲がるんだ」ということなどを勉強しました。
大阪からお父さんと一緒に参加したさとしさん(10歳)は、「むずかしいとこもあったけど教えてもらって思ったよりうまくできた」と話してくれました。お父さんもまた「子どもの自由研究で悩んでいたので助かりました」と率直な感想。でき上った小型のたき火台は、折りたたんで持ち運ぶことができ、まき台のメッシュ材に直接炭火を置ける優れものです。参加した家族に一台ずつプレゼントされ、親子ともども大喜びでした。
「MULTI SOLO」は、産業の中心が電気自動車に移行しつつあり、エンジン車部品の需要が先細りとなる中、四代目の健太さんと宇治市の渓流釣りが趣味のソロキャンパーで一級建築士の日越和男さんが新たに立ち上げたアウトドアブランドの会社です。一作品目として、釣り上げた魚をその場で焼ける「たき火台」の制作を1年かけて完成させました。
今回の製品は、2作品目となるミニチュア版。東京の派遣会社で働いていた健太さんですが、家業を継ぐ決意をして2年前に戻ってきました。西山地域での活性化にも積極的に取り組んでいます。「さらにアウトドアがもっと手軽にできるような製品の開発を引き続き行いたい」と話してくださいました。9月にも2回にわたってツアーが開催されます。自由研究にまだ間に合うのでは!
有限会社上田製作所(外部リンク)上羽工場 京都市西京区大原野上羽8-1 075-331-3001
「MULTI SOLO」(外部リンク)