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オーストラリア向けトマホーク巡航ミサイル220発、約1200億円

JSF軍事/生き物ライター
アメリカ海軍航空システム軍団(NAVAIR)よりトマホーク巡航ミサイルの試験発射

 3月16日、オーストラリア向けトマホーク巡航ミサイルの輸出許可案がDSCA(アメリカ国防安全保障協力局)から米議会に送られて告示されました。トマホーク巡航ミサイル合計220発とその他諸経費込みで総額8億9500万ドル(約1200億円)が予定されています。

Australia – Tomahawk Weapon System | DSCA

  • トマホークBlockⅤ:200発
  • トマホークBlockⅣ:20発

 2021年採用の最新型BlockⅤ(ブロック5)が200発と前型BlockⅣ(ブロック4)が20発です。現行の最新型を大量購入して古い前型を少数購入するオーストラリア政府の意図ですが、おそらく前型BlockⅣは射撃訓練用で直ぐに使い切る予定なのでしょう。

 オーストラリア向けトマホーク総額約1200億円を220発で割ると1発あたり約5億4500万円になりますが、その他諸経費が掛かっているので厳密には単価ではありません。ただし日本向けトマホークで予定されている金額と似たような数字だと言えるでしょう。日本向けトマホークは諸経費込みの総額2000億円で400発と国会で説明がありましたので1発あたり5億円となる予定です。

 なおアメリカやイギリスでは現在トマホークBlockⅤの調達は前型のBlockⅣからの改修で行われています。そのためBlockⅤを新品購入する日本やオーストラリアとは調達費用を直接比較できませんので注意してください。

 現在トマホーク巡航ミサイルはアメリカとイギリスで運用中で、日本とオーストラリアが購入予定であり、オランダとカナダも近日中に購入計画を公表すると見られています。

 また今回のオーストラリア政府からの要求リストにはRGM-109E(水上艦発射型)の記載は有りましたが、UGM-109E(潜水艦発射型)の記載は有りませんでした。オーストラリアが取得予定の攻撃原潜用の潜水艦発射型のトマホークについては、後日に改めて追加で要求する予定だと思われます。

【用語解説】

  • All Up Rounds(AUR):キャニスターに封入された撃てる状態のミサイル。
  • RGM-109E:トマホークBlockⅣおよびBlockⅤのアメリカ軍での型番。
  • RGM:水上艦発射型。なお潜水艦発射型はUGM。

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軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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