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これからの日本には、多種多様なキャリア・生き方と人材が必要だ!

鈴木崇弘政策研究者、PHP総研特任フェロー
(写真:アフロ)

世の中には、変わった生き方、変わった生き方の方がいるものだ。だが、このような考え方こそ、固定的な観念に基づいた実は間違った考え方なのかもしれない。本記事では、そんなことを気づかせてくれる方を紹介したい。

それというのも、日本は、戦後、特に高度経済成長期を経る中で、多くの企業が成長し、多くの人々はそこに吸収され雇われ、そこで個人も組織もそして社会も夢や希望を実現してきた。

その結果、大学を出て、サラリーマンとして企業(できれば大企業)に終身雇われることが、日本人の一般的なキャリア・モデルとなった。そして、私たちの自分の周囲にいるロール・モデルは大学を出て企業に終身勤める人となり、それ以外のキャリア・モデルがほとんどいなくなった。つまり、これまでの日本では、社会における働き方や人材の多様性が失われてきたのだ。

この結果、大学を出て、企業に、特に正社員として就職できないことは、社会的にダメなこととなった(少なくとも、一般的にそのように考えられる風潮になってきた)。

そのようなモデルや風潮は、経済が拡大し成長していたときは、有効に機能した。他方、バブル経済の崩壊後し、経済の成長・拡大がストップしてからは、そのようなモデルや風潮は社会的に維持できなくなってきたのだ。

だが、現実には、バブル崩壊後現在までも、多くの国民や日本社会においては、そのようなモデルが、慣性の法則のように、「理想」として続いてきてしまった。そのことが、現在社会的に問題となっている、大卒者の就職難(景気改善により就職難もやや改善しているが)や多くの勤労者などの問題などが生み出してきているのである。

そのような現状の中で、異彩を放つ人材がいる。それが、「中卒のカリスマ」「ネガポジ先生」として有名な黒沢一樹さんだ。黒澤さんは、虐待、貧乏、4人の父親、倒産・廃業、原因不明の病気、ブラック企業勤務、中卒・転職50回という驚異的で(!)あり、別のいい方をすると非常に華麗(?!)な経歴にして、現在はカリスマ・キャリアコンサルタントとして大活躍すると共に、二人のお子さんを持つ心優しい父にして立派な家庭人でもある。黒沢さんの人生は、社会において収入を得て、家族をもち、生活していくのは、実は多種多様なやり方があることを、改めて想起させてくれる。

筆者は、PHP総研で現在「新しい働き方」に関する研究を行っている。その研究でわかったのは、起きつつある日本の人口減少化においては、多種多様な働き方やキャリアが許容され、認められないかぎり、日本社会の今後の可能性は失われるということだ。今こそ、私たち日本人は、自分たちの働き方やマインド・セットを変え、日本社会の潜在的な可能性を活かすべき時がきているということだ。

黒澤さんの生き方やキャリア形成は、日本社会においても、実は働き方やキャリアにおいてもさまざまで多様な可能性があることを気づかせてくれる。私たちは、自分が考えている以上に、自分たちの生き方や働き方の可能性を知らず知らずのうちに狭い枠に閉じ込めて、多くの可能性を潰しているのかもしれない。

そんな黒沢さんが最近、『最悪から学ぶ世渡りの強化書』という書籍を出版した。

同書はそのような経験に基づく、人生訓や職業観満載。黒沢さんのこれまでの経歴からすると暗い内容満載かと思いきや、黒沢さん自身の経験と英知満載のパワーと希望そして勇気を感じさせてくれる一冊となっている。読めば誰でも、今の自分を受け入れ、前に進んでいくパワーを必ず与えてくれる。「ネガティブ」なことも「ポジティブ」に思えて、正に「ネガポジ」思考を得られる素敵な本となっている。ぜひ、皆さんも一読されてみてはいかがだろうか。

黒沢さんご興味を持たれた方、同書の出版を記念してパーティー【黒沢一樹氏出版記念パーティー】も開かれるので、参加してもいいだろう。黒沢さんは、その経歴とは裏腹に、元気満載、パワー充実のオーラを放っている。同書を読むだけでなく、一度会ってみる価値はあると思う。

政策研究者、PHP総研特任フェロー

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。経済安全保障経営センター研究主幹等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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