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「むしゃくしゃ」「イライラ」防止の心理学:イライラは「頭」にくる、むしゃくしゃは「腹」がたつ

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ)(ペイレスイメージズ/アフロ)

むしゃくしゃして人を殺してしまう人がいるように、この感情は厄介です。イライラ、むしゃくしゃを取り去る方法をお伝えします。

■「むしゃくしゃしてやった」「だれでも良かった」

また、悲しい事件が起きてしまいました。東海道新幹線のぞみの中で乗客を殺傷したとして、青年が逮捕されました。報道によると、彼は「むしゃくしゃしてやった」「だれでも良かった」と供述しているようです。

殺人などの大ごとになる場合には、その前から自暴自棄になっており、さらに何かのきっかけでイライラが頂点に達して犯行に及びます。

■むしゃくしゃとは・怒りとは

「むしゃくしゃ」を国語辞典で見ると、1.不愉快で、腹立たしい気持(様子)。2.乱れて整理がつかないさま。むちゃくちゃ。とあります。

腹立たしい、怒りの感情は、二次的感情と言われています。多くの腹を立てている人は、傷ついている人です。勉強や仕事や人間関係がうまくいかず、傷ついた人が、怒りを爆発させ、乱暴な行為で物や人を傷つけ、時に自分自身を傷つけます。

私たちも怒ることはありますし、怒り自体が悪いわけではありません。怒りがなければ、社会悪とも戦えないからです。しかし、怒りに我を忘れていけません。しかし、むしゃくしゃしている人は、頭の中が混乱して整理がつかなくなっています。

暴力暴言が抑えられなくなることがあります。暴飲暴食が始まってしまう人もいれば、壁をパンチして壁を壊したり、こぶしを痛めたりする人もいるでしょう。先のことを考えられなくなっている状態です。

■イライラは「カチンと頭にくる」・むしゃくしゃは「ムカムカ腹がたつ」:頭と腹の違いは?

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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