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俊介が2試合で打率.625!江越は先頭弾の連発!《阪神ファーム・新潟遠征》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
江越選手、18日の先頭打者ホームラン。投げたバットの飛び方で感触がわかる?

 台風10号が通り過ぎたあとの17日と18日、阪神は新潟県三条市でイースタン・日本ハムとのファーム交流試合に臨みました。きょうは2日間の試合結果をご紹介します。どちらも江越選手の初回先頭打者ホームランで始まり、中盤までに阪神が大量リードする展開。ところが、どちらも後半に追い上げられ、17日は8対7、18日は9対8と最後は1点差で逃げ切っています。2試合とも、日ハムの高浜選手が猛反撃の打点を挙げる活躍です。

 とはいえ阪神打線が17日は本塁打1、二塁打3を含む11安打。18日は本塁打2、三塁打2、二塁打3など先発全員の計14安打で、平田監督が「一番安心しているのは新井良太(打撃コーチ)だよ」と笑顔を見せる2試合になりました。

 なお江越選手は昨年の三条でも、2戦目(6月24日、対ヤクルト)の初回に、レフト芝生席奥の柵を越えていく先頭打者場外弾を放っています。17日はそれを上回るような、もうバットがボールをとらえた瞬間に大歓声が上がる“エグイ”打球でした。何といっても、打った直後に江越選手本人が放り投げたバットの、飛んでいく角度がすごかった!昨年より、そして18日よりも。

 17日は油断してしまい、打ったところを撮れなかったので、18日は1回裏の攻撃が始まった時にすぐカメラを構えました。とはいえ、まさか初球だとは!さすがですね。そんな江越選手について、試合後に語った平田監督の表現が最高です。のちほど書きますので、楽しみにお待ちください。

【17日】敵も味方も驚かせた先頭弾!

 17日は江越選手のホームラン、俊介選手と中谷選手がマルチヒット、また“ヒーロー賞”に選ばれた藤谷選手が満塁の走者を一掃するタイムリー二塁打を放つなど計8点!先発の岩貞投手が6回につかまり、9回にも高野投手が追加点を奪われながらも、何とか1点差で逃げ切りました。

《ウエスタン公式戦》8月17日

  ファーム交流試合

阪神-日本ハム 1回戦 (三条)

 ハム 000 004 003 = 7

 阪神 100 151 00X = 8

◆バッテリー

【阪神】○岩貞(1勝1敗)-尾仲-飯田-望月-高野-S福永(1勝3敗7S) / 長坂

【日ハム】●北浦(3勝4敗)(2回)-生田目(2回)-吉田侑(2回)-高山(1回)-立田(1回) / 郡

◆本塁打 神:江越7号ソロ(北浦)

◆三塁打 日:高浜

◆二塁打 神:俊介、藤谷、森越 日:野村

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:江越 (5-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .287

2]遊:小幡 (5-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .228

3]二:上本 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .364

〃投:飯田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:岡崎 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .048

〃投:望月 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃投:高野 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:福永 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .500

4]左:俊介 (4-2-0 / 1-1 / 0 / 0) .302

5]右:中谷 (3-2-1 / 0-2 / 0 / 0) .227

6]一:板山 (3-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .221

7]捕:長坂 (1-0-1 / 0-2 / 0 / 0) .235

8]三:藤谷 (4-1-3 / 2-0 / 0 / 0) .151

9]投:岩貞 (2-2-0 / 0-1 / 0 / 0)1.000

〃投:尾仲 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃二:森越 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .212

 

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ※

岩貞 5.0回101球(6-6-4 / 4-4 / 3.46) 145

尾仲  1回 10球 (1-1-0 / 0-0 / 4.28) 146

飯田  1回 23球 (3-0-0 / 0-0 / 2.61) 145

望月  1回 9球 (1-1-0 / 0-0 / 2.55) 152

高野 0.0回 16球 (1-0-2 / 3-3 /13.50)149

福永  1回 17球 (1-2-0 / 0-0 / 3.86) 149

          ※チーム測定の数字

《試合経過》※敬称略

先頭打者ホームランの江越選手を迎えるベンチ。人差し指でタッチします。
先頭打者ホームランの江越選手を迎えるベンチ。人差し指でタッチします。

 阪神は1回裏、江越の先頭打者ホームランで先制しますが、その後は3回までヒットなし。4回に俊介の左中間二塁打と中谷の中前打、板山の四球で無死満塁となって、長坂の中犠飛で2点目。5回は1死から上本と俊介が連打、中谷の中前打で上本が生還!そのあと暴投と板山の四球で1死満塁となり、また暴投で俊介が還りました。さらに長坂も四球を選んで再び満塁、続く藤谷が左越えのタイムリー二塁打で走者を一掃!この回5点を加えて7対0と引き離した、はずだったのですが…。

17日の先発は岩貞投手。三条では2014年7月の中日戦でも先発しました。
17日の先発は岩貞投手。三条では2014年7月の中日戦でも先発しました。
6回に岩貞投手をリリーフした尾仲投手。平田監督が功績をたたえています。
6回に岩貞投手をリリーフした尾仲投手。平田監督が功績をたたえています。

 1回、2回に1安打ずつ、3回、4回、5回は1四球ずつと、毎回走者を背負いながら抑えていた岩貞は6回、先頭の姫野に死球を与え、高浜と森本に連打されて無死満塁とします。ここで5番・野村に左中間へのタイムリー二塁打で2点、続く郡にも中前タイムリーを浴びて降板。無死一、三塁で代わった尾仲は1死後、8番・難波に左前タイムリー。岸里は併殺で片付けたものの、この回4点を失いました。

 その裏の攻撃で、2死から俊介と中谷が連続四球を選び、板山の左前タイムリーで1点を追加。7回は飯田が登板して、先頭からの連打などで2死満塁としますが無失点。8回は望月で、先頭の拍村に右前打されたものの、難波は見逃し三振、岸里は遊ゴロ併殺打!わずか9球、3人で片付けます。打線は7回に先頭の伊藤隼が右越え二塁打を放つも後続を断たれ、8回は中谷の四球のみで追加点はありません。

日本ハム・高浜選手は2試合で計5打点!写真は17日、6回の左前打です。
日本ハム・高浜選手は2試合で計5打点!写真は17日、6回の左前打です。

 8対4で迎えた9回、マウンドには高野が上がり連続四球と3番・高浜の右中間三塁打!2点を返されて、なおも無死三塁で高野は降板です。代わった福永は4番・森本に中前タイムリーを浴びながらにも、あとを2奪三振などで打ち取って、1点差を守り切って勝ちました。これで連敗を8でストップした阪神は、ようやく今月の公式戦で初勝利。借金が1となっています。

9連敗は阻止、ようやく今月初勝利

 試合後の話は平田監督から。まず岩貞投手に「フォアボールが多いし、コントロールが悪すぎる。よかったのはバッティングだけや」という言葉。この日の岩貞投手は2安打と1四球で10割の打率でした。5回までは無失点ですが「そんな低いレベルで評価しちゃダメだよ。こっちは1軍のレベルで見ているんだから」と平田監督。岩貞投手だからこその苦言でしょう。

17日の試合前セレモニーで、地元スポーツ少年団の子から花束を受け取る平田監督。
17日の試合前セレモニーで、地元スポーツ少年団の子から花束を受け取る平田監督。

 望月投手には「調整登板だからな。先頭を(ヒットで)出したけど、落ち着いてゲッツーも取ったし」との評価。また福永投手が9回に1点差を守り切ったことを「頑張った!緩急をつけるとかボールから入るとか、いろんなことができる。そういう工夫をしないと。えいやっ、えいやっで投げているから。きょうはカーブを混ぜたり、インコースをついたり。長坂も苦労していたな。最後はバッテリーの勝利だよ」と話しています。

 そして「頑張ったのは尾仲だよ」という付け加えがありました。そんな尾仲投手のグラブを、野球教室の閉会式で代表あいさつをした子にあげようとする平田監督。ニヤニヤしながら本当に渡してしまいそうな素振りをするので、尾仲投手は気が気でない様子でしたねえ。

5回1死満塁で、藤谷選手は走者一掃のタイムリー二塁打!
5回1死満塁で、藤谷選手は走者一掃のタイムリー二塁打!

 続いて野手陣。マルチヒットの中谷選手に「きょうは練習の時からよかったんだよ。右足に(体重が)乗ることを、自分でも意識したと言っていた。2本出て、これから上がってくると思うよ。試行錯誤して、よくなってくるよ」と話しました。また3点二塁打を放った藤谷選手には「まぐれやな。まぐれ」と笑ったあと、真顔になって「でも、まぐれにはちゃんと裏付けがある。努力をしたから、まぐれが出るんや」と平田監督は言います。

岩貞&望月のコメント

 では選手のコメントです。岩貞投手は「腕を振って、ある程度投げられたのはよかったです。(5回に)2本目のヒットを打って、6回は粘らないといけないところ。そこでちょっと良くないところが出てしまいました。1回から5回までの投球と、その先の投球をしっかり仕上げていきたいです」とのこと。

 「でもスライダーで空振りを取れたし、真っすぐでファウルを取れたのでよかった。本当に6回に課題が見えたので、野手のリズムも含めて、しっかり、きっちりやっていきたいと思います」

17日に2安打を放った9番・岩貞投手。これは四球を選んだ1打席目です。
17日に2安打を放った9番・岩貞投手。これは四球を選んだ1打席目です。
望月投手は次の1軍先発に備えての調整で1イニング。
望月投手は次の1軍先発に備えての調整で1イニング。

 望月投手は「先頭を出したのが反省です」と一言だけ。野球教室に参加せず、一足先に帰阪するため時間がありませんでした。調整はできたか、という問いには肯定も否定もせず、というところでしょうか。

 なお香田投手コーチは2人に関して「岩貞は、彼の特徴である投げっぷり、腕を振ることはできていた。きょうは、いい球と悪い球がはっきりしていてカウントを悪くしたけど、粘り強さはあったしね。だから6回(先頭に)2ストライクからデッドボールっていうのが、もったいない。望月は、きょうは投げているボールを見たかった。先頭を出したけど、自分のボールを投げて後続を断ったのでよかったです」という談話でした。

最後はバッテリーの勝利

 それから、1点差まで迫られたけど最後を締めた福永投手に平田監督の言葉を伝えると「確かに、普段とまったく違う配球でした。インコースを使ったり、カーブを使ったり、スライダーに頼らずフォークも投げた」と振り返ります。高めの直球で奪った最後の空振り三振はお見事!「あれは高めのサインだったんですよ」。なるほど。

福永投手は9回の途中から登板。1人還したものの、同点は阻止!久々のセーブです。
福永投手は9回の途中から登板。1人還したものの、同点は阻止!久々のセーブです。

 8月4日のソフトバンク戦(姫路)で9回に4安打されて4失点、11日の中日戦(金沢)は同点の9回に登板してサヨナラ打を浴び、3日のオリックス戦(オセアン)でも8回に投げて1/3回で3点を失って連敗を喫していた福永投手だったので、長坂選手も「いろいろやってみました」と言っています。それがうまくいって7月31日のオリックス戦以来のセーブが福永投手についたわけです。

 香田コーチは「きついところだけど、ここより下はないんだから。向かっていって強くなるしかない」と励ましの言葉でした。

江越、俊介、中谷、ヒーロー藤谷

17日、ホームランを打って走る江越選手。ことしも場外へ飛んでいきました!
17日、ホームランを打って走る江越選手。ことしも場外へ飛んでいきました!

 野手陣のコメントもご紹介しましょう。昨年に続いて先頭打者ホームランを放った江越選手は「そこよりも、きょう1本だけで終わっているので…。あすは複数打てるように頑張ります」と言葉は少なめ。平田監督も「江越の一発が(打線に)勢いをつけてくれた。あとの打席で、もうちょっと工夫が必要かな。殻を破らないとね」と諭しています。

 17日が32歳の誕生日だった俊介選手は4番レフトでフル出場。平田監督が「誕生日だからね。誕生日の記念の4番バッターだよ」と笑っていたけど、4回に左中間二塁打、5回にも右前打とマルチヒットです。1回の打席は、トランペットでハッピーバースデーの演奏がありました。「ありがたいですね。その中で打てたのがよかった。4番?どこの打順に入っても、スタイルは変わらない。でも打ててよかったですね」

2安打の中谷選手。これは5回の中前タイムリーです。
2安打の中谷選手。これは5回の中前タイムリーです。

 中谷選手はタイムリーを含む2安打と2四球。この四球2つも平田監督は評価していました。意識したのは右足に体重を乗せること?「そんな感じですね」。4回のヒットは初球を打ったもの、5回のタイムリーは1つスイングしてからの2球目。どちらもセンターへの打球で「早いカウントから振れてよかった!」と振り返っています。

 ちなみに18日も、1回1死一、二塁で1ストライクからの2球目を打ってタイムリー二塁打だった中谷選手ですが、そのあとが続かなくて「三角かな?」と聞いたら「バツです」という返事。きっとよくなる!という監督の言葉があったので、そう信じて頑張りましょう。

17日のヒーロー賞は藤谷選手。「まぐれにも裏付けがある」と平田監督。
17日のヒーロー賞は藤谷選手。「まぐれにも裏付けがある」と平田監督。

 藤谷選手は試合後、ヒーロースピーチで「明日も勝てるように頑張りまーす!」と言い、続いてヒーロー賞の表彰も受けました。感想を尋ねたら「まだまだです。それ以外の打席がよくないので」と殊勝な返事。打ったのは142キロの真っすぐ?「真っすぐです。その1球だけが真っすぐだった」。確かに三振2つも変化球でしたね。「そういう意味では、1球で仕留められてよかったです」。いい打球だった!「確かに打球はよかったですね。芯を食っていました」。ここでようやくニッコリ笑顔です。

【18日】3か月ぶり2度目の先発全員安打!

 この日も江越選手の先頭打者ホームランで先制。6回までに9対3とリードしながら、8回に5点を失って1点差。でも何とか逃げきりました。チームは約1か月ぶりの連勝で5割に復帰。藤浪投手は5回で103球、8安打されるも8三振を奪って3失点。2勝目です。

《ウエスタン公式戦》8月18日

  ファーム交流試合

阪神-日本ハム 2回戦 (三条)

 ハム 002 100 050 = 8

 阪神 230 031 00X = 9

◆バッテリー

【阪神】○藤浪(2勝4敗)-歳内-飯田-斎藤-尾仲-S高野(2S) / 岡崎-長坂(6回~)

【日ハム】●田中瑛(8敗)(5回)-福田(1回)-中村(2回) / 石川亮

◆本塁打 神:江越8号ソロ、俊介2号2ラン(田中瑛)

◆三塁打 神:江越、荒木

◆二塁打 神:中谷、板山、上本 日:白村、平沼、高浜

◆盗塁 日:平沼、白村、田宮

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]中:江越  (5-2-1 / 2-0 / 0 / 0) .292

2]遊:小幡  (5-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .227

3]二:上本  (5-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .370

〃二:森越  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .212

4]指:俊介  (4-3-2 / 0-0 / 0 / 0) .313

5]右:中谷  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .228

6]三:板山  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .221

7]左:伊藤隼 (3-1-2 / 0-1 / 0 / 0) .218

8]一:荒木  (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .241

9]捕:岡崎  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .083

〃捕:長坂  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .233

 

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ※

藤浪  5回103球(8-8-4 / 3-3 / 2.67) 155

歳内  1回 13球 (1-1-0 / 0-0 / 4.11) 146

飯田  1回 13球 (0-1-0 / 0-0 / 2.53) 145

斎藤 0.2回 28球 (1-1-3 / 4-4 / 4.06) 147

尾仲 0.1回 15球 (1-1-1 / 1-1 / 4.50) 150

高野  1回 10球 (0-1-0 / 0-0 / 9.00) 148

          ※チーム測定の数字

《試合経過》※敬称略

2日間で8打数5安打と気を吐いた4番の俊介選手。写真は18日の5回、右前打です。
2日間で8打数5安打と気を吐いた4番の俊介選手。写真は18日の5回、右前打です。

 江越が2試合連続の初回先頭打者ホームラン!1死後に上本の内野安打と俊介の左前打、続く中谷がレフトへタイムリー二塁打!2点を先取します。2回にも1死から江越が左中間へ三塁打を放ち、小幡の中前タイムリー。2死後に俊介がライトへ第2号の2ラン!5対0とリードを広げました。

先発の藤浪投手。“人気投票”はダントツでした。
先発の藤浪投手。“人気投票”はダントツでした。

 先発の藤浪は1回、2回とも安打や四球などで走者を三塁まで進めながら無得点。しかし3回、姫野の右前打と今井への四球で無死一、二塁として4番・高浜と森山からは連続三振を奪って2死とするも、白村に死球を与えて満塁。7番・石川亮の中前タイムリーで2点を返されました。4回にも四球と内野安打、盗塁などで1死二塁として1番・平沼の右前タイムリーで1失点。5回は2死から白村の二塁打のみで0点に抑えています。

6回を0点に抑えた歳内投手。
6回を0点に抑えた歳内投手。
飯田投手は2試合とも投げて無失点。
飯田投手は2試合とも投げて無失点。

 すると、その裏に4安打を集中した打線。まず俊介が右前打、中谷の遊ゴロで走者が入れ替わり、板山は右越え二塁打で1死二、三塁。次の伊藤隼が右前タイムリーを放って2人を迎え入れ、さらに荒木が右中間へのタイムリー三塁打!これで先発全員安打となりました。この回3点を加えて、6回にも1死から左翼線二塁打を放った上本が、俊介の三ゴロで三塁へ、そして暴投でホームイン。これで9得点です。

 6回から歳内と長坂のバッテリーに代わり、歳内は2死から平沼の左中間二塁打を許すも無失点。7回の飯田は3番からを三者凡退!8回は斎藤が登板して簡単に2死を取りましたが、そこから四球、田宮の右前打、平沼にも四球で満塁として、姫野は押し出しの四球。ここで降板します。

9回に登板して三者凡退!高野投手は前日のリベンジです。
9回に登板して三者凡退!高野投手は前日のリベンジです。

 2死満塁で代わった尾仲が今井にも四球を与えて連続の押し出し。続く高浜は左翼線へ飛球を打ち上げ、これをショートもレフトも捕れず…フェアゾーンに落ちてタイムリーとなりました。打者走者は三塁へ到達していますが、記録は二塁打。走者はすべて還って、この回だけで5点。9回は前日と同じ高野が登板して、今度はビシッと三者凡退で締め、2日連続の1点差逃げ切り勝ちです。

「いいものは継続、反省は次に生かして」

 試合後のコメントは本人と平田監督を合わせてご紹介します。まず藤浪投手。5回を投げて8安打3四球(1死球)ながら、8三振を奪って3失点でした。前回、8月10日の中日戦(高岡)と比べて「前回とは違いますね。よかったとは言えないけど。結果は結果で反省すべきところはあり、フォアボールも出したけど、いいところをついてのものなので、そこはプラスにとらえていきたいです」と言っています。「ボールに関しては自分のスタイル、ボール球を使ってのスタイルになってくるので。無駄なボールがあったことは反省して、次に繋げるようにしたい」

18日に先発した藤浪投手。手応えがあったようですね。
18日に先発した藤浪投手。手応えがあったようですね。

 3回は2死を取ってから2点を失っていて「もうちょっと粘れたらよかったんですけど、相手のバッターもしぶとく打って来ていたので、うまく打たれたなという印象もありました」とのこと。前回よりはよかった?「いいものが出たけど、悪いものもあるので反省しないと。反省して、継続するところはしっかり継続していきたいです」

 平田監督は「苦しみながら、牽制もトライしてくれたし。また地道にやっていくよ。きょうはアウトローにいいボールが、かなりあった。3点に抑えてるもん。三振8個も」と話していて、フォアボールもコーナーを突いた結果出たものと分析。「きょうはいいと思ったよ。きのうも見てわかるように、日本ハム打線がいいからね」

 17日に「頑張ったのは尾仲」と平田監督に言ってもらった尾仲投手は、2試合とも厳しい場面でのリリーフでした。この日は満塁で出て押し出しの四球、守備の乱れもあって3人を還してしまう結果になり「あそこを抑えないと1軍はないので。きのうはよかったけど…」と猛省。そして「次はしっかり抑えられるように頑張る」とコメントしています。

1番と4番の活躍を平田監督は…

江越選手は2試合ともで先頭打者HR!これは18日、このあと冒頭の写真(バット投げ)に続きます。
江越選手は2試合ともで先頭打者HR!これは18日、このあと冒頭の写真(バット投げ)に続きます。

 江越選手がまたまた先頭打者ホームラン!今度は初球でした。2回にはまた初球を打って左中間への三塁打を放っています。本人の話は聞けませんでしたが、平田監督は「素晴らしい!きのうはホームランのあと2打席目から普通の江越に戻っちゃったけど、きょうは2打席目で三塁打やろ?“野人”・江越が復活だよ!」とニコニコでした。

 左中間の当たりで三塁まで行けるのが、すごいですね。「野人の本領発揮だよ!新潟のファンの度肝を抜いたね。きのうは2打席目から普通の江越。きょうは野人・江越。野人よ、野人!」と何度も繰り返す平田監督。

 そして4番・DHで起用した俊介選手が、2回の2ランを含む3安打と大当りです。「きのうは誕生日だから、お祝いで4番にしたんだよ。それが功を奏したね。やっぱり人はその気にさせないとダメだっていう、いい例だね。書いていいかって?いいよ(笑)。地位が人を作るってことだな。俊介には勉強させられたよ」

17日の野球教室でバッティング指導中。笑顔いっぱいの俊介選手です。
17日の野球教室でバッティング指導中。笑顔いっぱいの俊介選手です。

 その俊介選手が18日のヒーロー賞を受賞。でも時間の関係か、表彰式は行われず。ヒーロースピーチでスタンドにお礼を言う元気な声は聞こえました。ヒーロー賞だけでなく、ホームラン賞も猛打賞もありますよと言ったら「賞品もらえるの?ヨッシャ~」とガッツポーズでバスに向かった俊介選手。きのう2安打、きょう3安打、いい感じですね?「そうですね。悪くないです」。打ちまくってください。「これからも頑張ります!」

 ※この2日間の試合以外の話は、こちらでご覧ください。→3月以来の4連勝!2位に戻った阪神ファームの“新潟遠征こぼれ話”

    <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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