2月14日は「自動車保険の日」109年の歴史振り返り、今一度、保険内容の確認を
「2月14日は何の日ですか?」
そうたずねると、おそらく多くの人が、
「バレンタインデー」
と答えるでしょう。
でも、2月14日はバレンタインデーだけでなく、知る人ぞ知る、さまざまな「記念日」でもあります。
早速、いくつかピックアップしてみると……、
●「予防接種記念日」
江戸時代、福岡藩の支藩である秋月藩の藩医・緒方春朔が初めて天然痘の予防接種を行い成功させたのが、寛政2(1790)年2月14日だったそうです。その日にちなんでこの記念日が制定されました。
●「煮干しの日」
全国煮干協会が「煮干しを食べて元気になろう」というキャッチフレーズで、2月14日という日付にちなんで制定。「2=に、1=棒=ぼ、4=し」の語呂合わせですね。
●「ふんどしの日」
こちらも2月14日という日付を「二=ふ、十=んど、四=し」と読ませる語呂合わせです。古くから日本で使われてきた伝統的な下着である「ふんどし」の普及と、「ふんどし」への理解と関心を高めることが目的だそうで、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
このほかにも、「ザ・ローリング・ストーンズの日」(1990年、彼らが日本で初公演を行った日)、「周五郎忌」(作家・山本周五郎の没日)、「セカンドオピニオンを考える日」など、調べていくと同じ日にいろいろな出来事が起こり、記念日として制定されていたことがわかります。
■大正3年に東京海上が発売開始した自動車保険
さて、同日の記念日としてもうひとつ紹介しておきたいのは、2月14日は「自動車保険の日」でもあるということです。
今でこそ、車やバイクのユーザーにとって不可欠になった自動車保険(任意保険)ですが、その歴史を振り返ると、初めて日本で発売されたのは今から109年前、1914年(大正3年)2月14日のことでした。
最初に自動車保険の営業認可を取得したのは、東京都千代田区丸の内に本社を置く、東京海上保険株式会社(現:東京海上日動火災保険株式会社)です。
同社のサイト『1914年 日本初の自動車保険誕生』には、こう記されています。
当社は創業以来、貨物保険や船舶保険といった海上保険を主として手がけてきましたが、日清・日露戦争を経て日本の産業は発展し、資産も順調に増加。これを受けて海上保険ではない「ノンマリン保険」と称される自動車保険・運送保険・火災保険分野への進出を決断しました。自動車保険については1914年2月、当社が日本で初めて営業認可を受けた保険会社となりました。当時の日本には、まだ自動車は1,000台ほどしか走っていない時代でした。
■車が1000台の時代から8200万台の時代へ
大正時代にはまだ1000台しか走っていなかったという日本国内の自動車ですが、令和4年11月末現在の自動車保有台数をみてみると、その数は8271万1369台に激増。100年以上の歳月を経て、日本は完全なクルマ社会へと変貌しました。
自動車の増加は移動や流通の利便性を高めた半面、残念ながら多くの交通事故被害者を生むことになりました。
失われた命や健康を元に戻すことはできません。しかし、109年前の2月14日に自動車保険の営業が認可されたことによって、多くの被害者が金銭的賠償を受けることができ、多少なりとも被害回復ができたことは事実でしょう。
現在、自家用自動車の対人保険加入率は約9割まで上がってきています。
■2輪車の無保険大丈夫? 年齢条件の確認も忘れずに
一方、2輪車の任意保険普及率は4輪車に比べてまだまだ低く、対人保険の普及率は約5割にとどまっています。
以下の記事で取り上げたように、無保険のまま大型バイクを走らせ、重大事故を起こしているユーザーがいるのも事実なのです。
<無保険の大型バイクで中央線突破。死亡事故2回目の被告に下された判決と、遺族の思い……個人 - Yahoo!ニュース>
こうした事故に遭遇した被害者遺族の苦悩を思うと言葉がありませんが、マイカーを所有している人は、自身を守るためにも「人身傷害補償保険」などで、最悪の事態に備える必要があるでしょう。
また、春休みを迎えるこの時期は、運転免許を取得する若者が増え、親や知人の車を借りて乗る機会もあると思います。
自動車保険には「年齢条件」や「家族限定」など、こまかな制限がありますので、保険が有効か否かをしっかりチェックしてからハンドルを握ることが大切です。
2月14日は「自動車保険の日」。今日はこのことを話題にしながら、今一度、家族で保険証券を確認するなど、意識を高めていただければと思います。