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片づけが大変なのは「モノが多いから」だけではない。現代ならではの厄介な理由とは

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

昔に比べ、モノが安く簡単に手に入り、スマートフォンがあればお店に行かずいくつかのモノを比較し買い物をすることもできるようなりました。

簡単に安く手に入るのはよいことですが、よく考えずに買ってしまうことも多くなり、家から出ていくモノの量より、入ってくるモノの量が圧倒的に多く片づけが大変な家庭があるのが現状です。

家の中がモノであふれていて、どこに何があるかわからないけれど、探す時間もないから結局購入し、さらにモノが増え片づけがより困難になる家庭もあります。

でも、片づけが大変な理由はモノが増えやすかったり、モノが多いだけではありません。

情報の多さ、そして比べてしまう自分

私は子どもの頃片づけ方を知りませんでした。かと言って当時は学校で習うものでもなく、家庭でなんとなく覚えていくもの、身についていくものと考えられていました。

今のようにSNSで他人の暮らしの様子を知る機会もないので、自分の家以外で家の中の様子まで知っているのは、身内や親しい友人宅などに限られていました。

だれかと比べることも少なかったので、なんとなく散らかっていると感じることはあっても何とかやり過ごしてきました。

しかし今は、様々な片づける、収納する、整える方法とアイデアが膨大にあります。

SNSの影響で、今まで見えなかった人の暮らしがよく見えるがゆえに、おしゃれにキレイに整った家がまるで正解かのように認められる傾向もあり

つい比べてしまい、同じようにできていない自分のことを「片づけられない」「ダメな人間」と思う人も多いのではないかと思います。

またSNSで見かけた収納道具をマネして買ってみたけど使いにくかったと感じる人もいるでしょう。

SNSは「人の暮らし大図鑑」

人の暮らしは十人十色です。一人一人にそれぞれの暮らし方があり、片づいているか、片づいていないか、この2つのどちらかに自分を当てはめる必要はありません。

そもそも「片づけ」と言う言葉もかなりざっくりしています。

どこの誰だか知らない人の暮らしの情報を簡単に目にすることができる今の状態は毎日「人の暮ら大図鑑」をパラパラとめくっているようなものです。

でもそれは「片づけや暮らしの教科書」ではなく、あくまで図鑑。

子どもの頃、昆虫図鑑を見ながら「へー!こんな虫がいるんだ、すごーい!」と思ったように、「こんな人がいるんだ、なるほど」と眺めながら見るくらいがちょうどいいのです。

大事なのは、キレイか散らかっているかと言う見た目ではなく、住んでいる自分や家族がどう感じているかです。

SNSに片づけや暮らしの答えはありません。

モノが増えやすいのでできるだけ増やさないようにしたり、意識的に家からモノを出していくこと常に頭に入れておく必要がありますが、

SNSで手に入れた情報は自分に都合がいいように取り入れて、自分や家族が心地よいと思えるのを第一に毎日の暮らしについて考えていければよいかと思います。

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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