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「アンダーソンとアンダーソン」が投げ合う試合。イアンとブレット、イアンとタイラーとくれば、次は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
イアン・アンダーソン(アトランタ・ブレーブス)May 21, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 イアン・アンダーソン(アトランタ・ブレーブス)とブレット・アンダーソン(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、5月15日に同じ試合の先発マウンドに上がった。その6日後の5月21日には、イアンとタイラー・アンダーソン(ピッツバーグ・パイレーツ)が、こちらも同じ試合に先発登板した。2試合とも、イアンが白星を手にし、もう一方のアンダーソンは敗戦投手となった。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1900年以降のモダン・エラにおいて、先発投手(イアン)が2登板続けて自身と同じラストネームの違う先発投手(ブレットとタイラー)と投げ合うのは、初めてのことだという。1990年5月10日と15日のデニス・マルティネスラモン・マルティネスのように、同じラストネームの先発投手2人が2登板続けて投げ合ったことは、過去に4度か5度あるらしい。

 アンダーソンとアンダーソンの投げ合いが、イアンとブレット、イアンとタイラーとくれば、あとはブレットとタイラーだろう。

 次の登板は、ブレットが5月27日のサンディエゴ・パドレス戦、タイラーは同じ日のシカゴ・カブス戦が予想されるため、どちらも、イアンのような2登板連続にはならない。だが、ブレットもタイラーもナ・リーグ中地区のチームにいる。ブルワーズとパイレーツの対戦は、19試合中16試合が残っている。最も近いのは、6月11日~13日の3試合だ。

 イアンはメジャーリーグ2年目、ブレットは13年目、タイラーは6年目だ。どの組み合わせでも、これまでに同じ試合で先発投手として投げ合ったことはなかった。3人とも、親子でも兄弟でも親戚でもない。

 実は、今シーズンの先発マウンドに上がったアンダーソンは、彼ら以外にもいる。メジャーリーグ8年目のチェイス・アンダーソン(フィラデルフィア・フィリーズ)が、開幕ローテーションに入り、8試合に登板した。だが、被打率.277、被本塁打7本、防御率6.96と結果を残せず、ブルペンに回された。チェイスとブレットは、2015年4月10日と5月3日に投げ合っている。当時はそれぞれ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとロサンゼルス・ドジャースにいた。

 なお、この4人の他に、メジャーリーグで先発投手として投げたアンダーソンは、1993~2005年に245先発のブライアン・アンダーソン――現在、マイアミ・マーリンズで三塁を守っているブライアン・アンダーソンとは別人――しかいない。

 ブレットのメジャーデビューは2009年なので、アンダーソンとアンダーソンが先発投手として投げ合った1度目(史上初)と2度目は2015年のチェイスとブレット、3度目はイアンとブレット、4度目はイアンとタイラーとなる。最初の3度は、いずれも、ブレットとブレットではないアンダーソンだ。

ブレット・アンダーソン(ミルウォーキー・ブルワーズ)Apr 5, 2021
ブレット・アンダーソン(ミルウォーキー・ブルワーズ)Apr 5, 2021写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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