チェックイン時「ナンバーレス」クレカは問題あり? ホテルとカード会社に聞いてみた
先日、ホテルでのチェックイン時に「ナンバーレス」のクレジットカードで問題が起きたことをTwitterに投稿したところ、ちょっとした反響がありました。
ナンバーレスカードの何が問題なのか、ホテルやカード会社に確認してみました。
「ナンバーレス」の意外な問題に遭遇
最近、券面にカード番号や有効期限が書かれていないナンバーレス仕様を採用するクレジットカードが増えています。
特に、表面にも裏面にも番号がない完全ナンバーレスのカードの場合、番号や有効期限はアプリで確認することが基本になります。
カード番号をみられる心配がないということで筆者も気に入って使っていたのですが、今回宿泊した「ホテルニューオータニ 東京」では、ちょっとした問題がありました。
チェックインの際、フロントで有効性確認とカード番号を控えるためにクレジットカードの提示を求められたのですが、ナンバーレスのカードでは問題があるというのです。
フロントでの説明は、「もし番号表示のあるカードをお持ちなら、いったんそのカードで有効性確認をさせていただきたい。もしナンバーレスカードしかお持ちでない場合は、部屋代は事前精算になる」というものです。
なぜこのような運用になっているのか、後日あらためてホテルの広報窓口に確認してみました。
まず、フロントでカードを提示する理由としては、「部屋代を利用金額として、カードの有効性確認をさせていただいている」(広報)といいます。
これにより、ホテル内の対象レストランやルームサービスでの料金を「部屋付け」することが可能になり、チェックアウト時にまとめて精算できるようになるというわけです。
ただし、この際にはナンバーレスのカードは使えず、「番号表示のある物理的なカードの提示をお願いしている」(広報)とのこと。
アプリで番号を表示できることはホテル側も承知しているものの、「当ホテルではチェックアウトの際にスムーズにご出発いただけることが最も重要と考えており、アプリ画面の確認などで、お手間をとらせることがないようにしている」(広報)といいます。
ナンバーレス以外にも、Apple Payなど新しい決済手段が増えていることはホテル側も認識しており、「ご不便をおかけしていることは承知しており、今後検討を進めていく」(広報)としています。
ちなみに、筆者が11月に宿泊した「名古屋マリオットアソシアホテル」においても同様に、ナンバーレスカードでは事前決済になるとの対応でした。
同ホテルによれば、何らかの理由でフロントに立ち寄らずに出発する場合があることを想定。「クレジットカードの有効性確認と併せて遠隔でも精算ができるよう、事前にクレジットカード番号をお預かりしている」(広報)といいます。
なお、こちらのホテルの場合、「クレジットカード番号を控えさせていただけるのであれば、アプリ画面でも特に問題はない」(広報)との回答でした。
ナンバーレスカードを発行する三井住友カードは、「ナンバーレスのカードと、券面に番号表示があるカードで、使える場所に相違はありません。番号が必要な場面では、アプリで表示してお使いいただけます」(広報)としています。
その上で、ホテルによってはカード番号を控える運用があることは認識しているとのこと。「お客様に手間をとらせないことなど、さまざまな事情を考慮した運用があり得る」(広報)として、Webサイトにてユーザー向けに注意喚起をしているそうです。
事前精算ならナンバーレスでも問題なし
ナンバーレスカードの利点として、店舗などで利用する際にカード番号を見られる心配がなく、また店員さんにとっても顧客のカード番号を目にすることがないため、お互いに安心感があると考えられます。
このメリットに注目するならば、いまだにカード番号を求められる場面が残っているというのは、やや気になるところです。
筆者がいつも泊まるようなビジネスホテルなどでは事前精算が多く、こうした問題には遭遇していません。また、今回取り上げたようなグレードの高いホテルでも、部屋代を事前精算するのであれば、ナンバーレスのカードでも何も問題はないわけです。
ただ、その場合はホテル内での支払いを「部屋付け」できなくなり、常に財布を持ち歩く必要があるなど、ホテルでの体験が微妙に変わってくるのではないかと思うところはあります。
カード会社によっては完全ナンバーレスではなく、番号や有効期限を裏面に集約する仕様にとどめているところもあります。どうしても気になるなら、そういうカードを選ぶという選択肢はあるでしょう。