創業51年の老舗の豚骨ラーメン店《青果市場があった頃の名残で今も朝早くから働く人の胃袋を支え続ける》
福岡県福岡市博多区の那珂。大型商業施設「ららぽーと福岡」のすぐそば(歩いて3分ほどの場所)にある〈博多一心亭〉は、1973年の創業で50年以上の歴史と伝統を誇る老舗の長浜ラーメン店。現在「ららぽーと福岡」がある場所には10年ほど前までは地元の大きな市場「福岡市青果市場」があり、まだ真っ暗な早朝6時から〈博多一心亭〉が営業していたことから青果市場関係者はもとより、朝早くから働く人々の御用達のお店として地域を支えてきた人気店。2016年の「福岡市青果市場」の移転後もその営業スタイルは変わらず、今も早朝から働く地元の人々の日常食としての豚骨ラーメンを提供し続けている。
早朝からの営業スタイルを今も継続中
早朝6時営業開始というスタイルはそのままに、店内の雰囲気も白を基調とした昭和時代の古き良き面影を残しつつ、テーブルや壁はもちろん、床も昔ながらの白いタイル貼りで統一され、いつも清潔に保たれている。外観もまた、外壁を橙色に塗り直したり、黄色い暖簾を新調したりと順次更新しながら、基本的なイメージやスタイルは変わらず守り続けている。
地元の人の日常食として愛され続ける
今もなお早朝から賑わいをみせる〈博多一心亭〉。地元の人々に支持される理由は、毎朝食べても飽きのこない、あっさりとしたやさしい味わいの昔懐かしい博多の豚骨ラーメンだから。朝早くから働く人々を中心に、地元の人々に好まれる日常食として、その胃袋を支え続けている。
疲労回復に最適な「ニンニクラーメン」
この日は、週末の疲れを癒すため、朝の9時前に訪問した。「ららぽーと福岡」が開業して以来、周辺の地価が高騰し、いくつかあった近くの駐車場も更地になり、マンションなどの建設ラッシュが始まった昨今。開いている有料駐車場も少なく、満車の状態も増えてきたので、ここのところは少し離れた有料駐車場に車を停めることが多くなった。そしてテクテク歩いてお店へ向かう日々。
店内に入ると同時に(疲れが溜まっていたこともあり)疲労回復目的で「ニンニクラーメン」の「カタ」をコールし、空いていた一番奥のテーブル席へと向かう。その途中、ショーケースの中から〈博多一心亭〉の名物でもある「かしわおにぎり」を一つ取り出す。
ご主人に『おにぎり一ついただきます』と申告しつつテーブル席に腰を下ろし「かしわおにぎり」を頬張る。その美味しさをゆっくり噛み締めていると「ニンニクラーメン」が『はい、お待たせ』と、ものの1分ほどの早技で配膳されるスピード感。
あっさり飽きのこない豚骨ラーメン
ベタ感(油脂感)はしっかりあるものの、長浜由来の豚骨スープは意外なほどあっさりとした口当たりで「朝ラーメン」の最適解のような基本の一杯になっている。デフォルトのままでも、サラッとお腹を満たしてくれるやさしい味わいに仕上がっているので、どんな時でも完食できる逸品。
ニンニクラーメンの「ニンニク」は、注文のたびにご主人が生ニンニクを器のフチに搾って提供されるひと品。この日は「ニンニク」のおかげで元気がみなぎるような一杯に。合わせる麺は、喉越しのよい細ストレート麺で朝からスルスルといただける美味しさがある。
自分好みの味にカスタマイズする楽しみ
デフォルトの味を自身で自由にカスタマイズできるのが〈博多一心亭〉の特徴の一つでもある。味の好みは人それぞれ。基本のメニューにニンニクラーメンなどがあるものの、卓上には定番の「紅生姜」のほか、「辛ニンニク」や「一味唐辛子」「洋胡椒」「胡麻」に「ラーメンのタレ」と、多彩な味変アイテムが揃っている。「替玉」の際は、もちろんのこと、その日のラーメンのコンディションや自身の体調、トッピングやサイドメニューとの相性により、味の好みをアレンジできる。そんなカスタマイズで、自身の〈博多一心亭〉スタイルを見つけるのも楽しみの一つ。
ちなみに開店直後の6時からの1・2時間くらいは、早朝お仕事のお客さんも多く、ご主人お一人でのワンオペ営業になるので混雑必至なので、ちょっと落ち着いた8時台から9時台を目標に訪れるのがおすすめの時間帯です。
最後に、福岡・博多の地元の人々が堪能するディープな朝ラーメン。朝に最適解のあっさりとした「豚骨ラーメン」を機会があればぜひご体感ください。
博多一心亭
住所 :福岡県福岡市博多区那珂2丁目22-8
[地図]
営業時間:06時00分~15時00分(平日)
:06時00分~14時00分(土曜)
定休日 :日曜日(※祝祭日は不定)
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり