タワーマンションの横にポツンと佇むレトロな店舗《古き良き時代を想起させる豚骨ラーメンで地元民を魅了》
福岡県福岡市中央区の中心街、天神・赤坂・今泉に隣接する「警固エリア」。中央区の中心地から南区へと続く目抜き通り「大正通り」沿いの一角に2023年4月に開業し、1年半ほどが経つ博多の豚骨ラーメン店。近代的なタワーマンションの隣に佇むビルの1階に、外観からも昔懐かしいレトロな雰囲気を醸し出しているお店がある。それが〈大正軒ラーメン〉だ。
そんなレトロ感あふれる〈大正軒〉の店内で炊き上げられた豚骨のスープは、いま現在の福岡のラーメントレンドを反映するような豚骨の香りの立つ「クサくて旨い一杯」。近年、一時代を築いた洗練された臭みのない濃厚でトロミのある豚骨ラーメンとは一線を画す、熟成系の香りがしっかりと立つと同時に豚骨の旨みもたっぷりと含みながら、シャバ系と呼ばれるサラッとしたスープは、古き良き時代の博多らしさ反映するクラシック感あふれる「豚骨ラーメン」に仕上がっている。
それがまた、昭和の頃の想い出を呼び起こすと同時に、多くの地元の方々にも支持され、お昼のみの短時間の営業にもかかわらず、ひと頃は長蛇の列ができるほどの人気を獲得した。開業からまだ日は浅いものの、地元ラーメンファンなら誰もが知る存在へと進化している。いま現在は少し落ち着きを取り戻し、時間をずらして訪問すれば待つことなく食べることも可能だ。
店舗の外にも広がる昔懐かしい豚骨の香り
この日、訪れたのは、お昼遅めの時間帯。いつものことながら、お店に近づいていくと豚骨独特の香りが店外まで漂っていて、その香りとともにひと昔前のあの頃の懐かしいラーメンシーンが脳裏に蘇ってくる。店内に入ると、そこもまた昭和の時代を彷彿とさせる真っ赤なカウンター席と、敢えて古びた木目調の設えに統一され、さながら「昭和レトロ」な雰囲気に仕上がっている。先客は入口すぐのカウンター席にお一人、中央あたりにお一人で、一番奥の席が空いていたので、そこに腰を下ろしながら『麺の硬さ』のみを尋ねられ『カタ』とだけ答えて注文終了。
ランチ限定の豚骨ラーメン1種類のみ
営業時間がお昼(11時30分〜15時00分)に限られていて、提供されるラーメンも「サービスランチラーメン(豚骨ら〜めん)630円」の1種類のみ。麺の硬さのみ、コールすればOKというシステムなのでいつも迅速な注文対応になっている。
その他のメニューは「替玉120円」と「キリンラガービール(小ビン)450円」の3種類のみ。店内のメニューに載っていないもののお店の入口にある立看板に「白ごはん120円」もあり、全4種類のラインナップになっている。
豪華具材が印象的な博多豚骨ラーメン
待つこと少々で、配膳された一杯は、熟成がしっかりと感じられる豚骨の香り立ついわゆる「クサウマ」と表現される豚骨ラーメン。濃厚そうな香りとは裏腹に思いのほか、シャバシャバとしたスープは、口当たりもあっさりで、カエシの旨みが際立つ仕上がりになっている。
スープと合わせる麺は、パツパツとした食感の歯切れのいい極細のストレート麺。もちろんスープとの相性も抜群で、あっという間に完食してしまうので「替玉」も必須。
さらに最大の特徴が開業当初からまったく変わっていない具材の豪華さ。器からはみ出すこともある大きめのレアチャーシューと板海苔がともに2枚ずつ入っていて、トロッとした食感の大きめのワンタンが1つ、味玉(半玉)がデフォルトで付いているにもかかわらず、お値段も開業時のまま、今も変わらず630円という値段設定をキープ。味わいもさることながらボリューム感も保ち続けている満足度の高い至極の一杯。
お昼限定営業ながら夜もチャンスあり
〈大正軒ラーメン〉は、お昼のみの営業スタイルながら同じビルの2階に入っている焼鳥店「焼とり りりあ」と同系列の豚骨ラーメン店。そのため「焼とり りりあ」では「夜ら〜めん」の提供を、21時からラストオーダーの23時までの時間に限り「りりあ」店内でも「大正軒のラーメン」を食べることが可能。広々とした店内で美味しい博多の焼鳥やお酒とともにシメの一杯として、豚骨ラーメンをいただくのもまた乙なもの。
最後に。レトロな雰囲気の外観と店内はカウンターのみ7席ほどの小さな空間です。機会がありましたらぜひお立寄りください。
大正軒ラーメン
住所 :福岡県福岡市中央区警固2丁目13-21
[地図]
営業時間:11時30分~15時00分
:21時00分〜L.O. 23時00分(※)
:※ 同2階の「焼とりりりあ」内にて
定休日 :不定休(※要確認)
駐車場 :専用駐車場なし
要確認 :大正軒ラーメン(※インスタグラム)