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創業58年の古き良き老舗の滋味深い醤油豚骨系ラーメン《名物の「やきめし」は福岡でも一二を争う人気》

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺
醤油のかえしが強めな豚骨ベースの「らーめん」

福岡県福岡市東区の箱崎。1966年(昭和41年)4月の創業で2024年の今年、58年目を迎えた町中華の老舗〈春陽軒〉。時代とともに地域の中で脈々と築いてきたその歴史と伝統は三代目にまで受け継がれている。そして今や代表的なメニューでもある、名物の「やきめし」を求めて遠方から訪れる人々が絶えることのない人気店に。2021年(令和3年)にコロナ禍の緊急事態宣言の延長時に改装工事をおこないリニューアルオープン。いま現在も隅々までとてもきれいな状態に保たれていて老若男女の誰もが訪れやすい店舗になっている。

この日、訪れたのは開店まもない11時半頃。行列はまだなかったものの、店内は満席で外に並ぶことに。ちょうど一巡目の先客が食べ終わる頃合いで二巡目の後客も続々と訪れ、あっという間に行列ができはじめた。行列ができると店先のメニュー看板が設置されているので、それを見ながらあらかじめ注文を伝えるシステム。

一番人気のメニューは名物の「やきめし」

自身としても人気の「やきめし」はマストで注文するつもりが、以前にはなかった「春陽軒のセットメニュー:らーめん+やきめし(少なめ)」が最上段にあり、そちらを選択。連れは人気メニューの一つ「皿うどん」を注文した。

ほんの10分ほどで店内に通され、厨房を囲むL字型のカウンター席は8席ほどある。奥側の席に連れとともに案内された。先客は年配のご夫婦、お若いカップル、歳の差があるので男女の親子といった感じで、後客には学生くらいの女性お二人連れと、老若男女のバラエイティーにとんだ構成でお客さんの層としては偏った感じがない。

活気のある厨房では、中華鍋を振る音が引っ切りなしに続くのは、ほとんどのお客さんが「やきめし」を注文しているから。その厨房の中では四人のお店の方々が元気に営業されている。客席との距離感が近いので自然とお話しされているのも聞こえてくる。

どうやら先客でいらした年配の方が(何十年ぶりかに来店されたのだろう)昔懐かしいお話しをされて席を立たれた直後だったようで、その話題は表向きに謳っている創業年数よりも実はもっと長く、70年ほどだという興味深いお話しだった。これはどこかのタイミングでもう少し詳しく聞いてみようと思ったところで、まずは「やきめし」が配膳され、続けて「皿うどん」、最後に「らーめん」が到着した。

ボリューム感と美味しさで人気の「皿うどん」
ボリューム感と美味しさで人気の「皿うどん」

新しい看板メニューの「セットメニュー」

まずは一番人気の「やきめし」から。福岡市内で有名な「やきめし」といえば、早良区の「安全食堂」や博多区の「博多川端どさんこ」なども有名で、それらのお店と一二を争う名物の「やきめし」は、噂に違わぬ美味しさ。通常の「やきめし」は、かなりボリュームがあるのがそれが唯一の難点で、一人だとそれだけでお腹いっぱいになる逸品。

セットメニューの「やきめし(少なめ)」は、それよりも小さめの皿に盛られ、福神漬けが添えられていて、ほどよい量になっている。これだと(いわゆる)半チャーハン的にいただけるので、この日も多くのお客さんが注文されていて新たな看板メニューとなっている印象。その「やきめし」は、中華鍋でしっかり炒められた直後に提供されるので、香ばしい香りとともにゆげが立ち上り熱々。それでいて、しっとりめの仕上がりで味の加減も絶妙。炒める姿を眺めていても特に変わった様子はなく、とにかく美味しい仕上がりになっている。

醤油と豚骨ベースの昔懐かしい滋味深い一杯

昔ながらの懐かしい味わいの「らーめん」は、醤油のカエシと胡椒がしっかりと効いた豚骨ベースのスープに細ストレート麺を合わせたひと品。麺の硬さも選べて今回は「普通」で注文。

チャーシュー、ネギ、キクラゲ、メンマに海苔と、シンプルな博多のラーメンの中では豪華めのトッピングになっている。「らーめん」のスープはあっさりめで、ほっこりとした滋味深い味わいなので「やきめし」をお供にいただくのが最適解。とてもいい感じの組み合わせで美味しい。

はじまりの地は福岡市中央区の「大名」という

最後に。中盤で少しご紹介したように、お店の中で耳にしたお話しを帰り際(おじゃまにならないように)お会計をしながらのタイミングで『創業70年くらいになるんですね?』とお尋ねしたところ、実は創業年の「1966年(昭和41年)」は、現在の福岡市東区の箱崎の地に「移転」して来てからの歴史のスタートであり、そのはじまりは、さらに10年ほど遡ることになるそうだ。

その地は、福岡市の中心地「天神エリア」。現在「西鉄グランドホテル」がある辺りの福岡市中央区の「大名」あたりで、屋台として「創業」したのがどうやら〈春陽軒〉のはじまりだったとのこと。いずれにしても、歴史と伝統のある老舗の名店であることは間違いのない事実。今もなお、その伝統の味を求めて行列の絶えない人気店であり続ける〈春陽軒〉。ぜひお立ち寄りください。

春陽軒

住所  :福岡県福岡市東区箱崎1丁目34-9
[地図

水木金曜:11時00分~14時30分(L.O.14時00分)

    :17時00分~21時00分(L.O.20時30分)

土日祝日:11時00分~15時30分(L.O.15時00分)

    :17時00分~19時00分(L.O.18時45分)

定休日 :月曜日・火曜日

駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

要確認 :春陽軒(※インスタグラム)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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