アスレティックスで藤浪晋太郎より高年俸の6人。スーパースターは皆無!?
藤浪晋太郎(オークランド・アスレティックス)の年俸325万ドルは、チームのなかで7番目に高い。その上にいるのは、野手が5人とリリーフ投手が1人だ。藤浪に次ぐ、年俸300万ドルのドルー・ルチンスキーは、こちらもアジアからやってきた。過去4年は、韓国のNCダイノスで投げていた。藤浪とともに、ローテーションに並ぶことになりそうだ。
リリーフ投手のトレバー・メイは、契約金100万ドルと年俸600万ドルの1年700万ドルで入団した。アスレティックスでは、クローザーかセットアッパーを務めるだろう。ただ、1シーズンに5セーブ以上を挙げたことはない。シーズン二桁のホールドは2度。2019年と2021年に、それぞれ、17ホールドと16ホールドを記録した。防御率が3.00を下回ったのは、2019年の2.94だけだ。直近の3シーズンは、いずれも3.50を超えている。
野手の5人中3人も、今オフに加入した。アレドミーズ・ディアズは2年1450万ドル、ジェイス・ピーターソンは2年950万ドル。マニー・ピーニャは2年800万ドルの2年目だ。12月にショーン・マーフィーをアトランタ・ブレーブスへ放出した三角トレードで、ブレーブスから移ってきた(「三角トレードで3球団が捕手を獲得する。ゴールドグラブ捕手、オールスター捕手、控え捕手!?」)。
3人とも、100試合以上に出場したシーズンはあるものの、ディアズとピーニャは規定打席に達したことがない。ピーターソンの規定打席以上も、8年前の1度きりだ。ポストシーズンをめざすコンテンダーの球団であれば、準レギュラーもしくは控えだと思われる。トニー・ケンプとラモン・ローレアーノも、そうだろう。
この5人のシーズン最多本塁打は、2019年にローレアーノが記録した24本だ。20本以上は他になく、ピーターソンとケンプのホームランは、どのシーズンも一桁にとどまっている。また、昨年は、5人ともOPS.700未満に終わった。出塁率も高くなく、.320に達した選手はいなかった。ピーニャは出場5試合ながら、あとの4人は90試合以上に出場し、300打席以上に立っている。
昨年の開幕前から、アスレティックスは主力選手を次々と放出している。先発投手のクリス・バシット(→ニューヨーク・メッツ/現トロント・ブルージェイズ)、一塁手のマット・オルソン(→ブレーブス)、三塁手のマット・チャップマン(→ブルージェイズ)、先発投手のショーン・マネイア(→サンディエゴ・パドレス/現サンフランシスコ・ジャイアンツ)、先発投手のフランキー・モンタスとリリーフ投手のルー・トリビーノ(→ニューヨーク・ヤンキース)、そして、今オフのマーフィーだ。
2012年から2020年まで、アスレティックスは、ポストシーズン進出のシーズンとポストシーズンに進めなかったシーズンを3年周期で繰り返してきた。2012~14年が地区2連覇とワイルドカード、2015~17年が3年連続の地区最下位、2018~20年は2年連続ワイルドカードと地区優勝(短縮シーズン)だ。今年を含む3年間も、この周期のとおりになるだろう。2021年は勝ち越して地区3位ながらポストシーズンにたどり着けず、2022年は43年ぶりに100敗以上を喫し、地区最下位に沈んでいる。
藤浪は、アスレティックスの顔となるかもしれない。その一方で、好投すれば、他の選手と同様に、夏のトレードで若手と交換に放出される可能性もある。
なお、アスレティックスのローテーションについては、こちらで書いた。