Yahoo!ニュース

ロハスの球団オプションを行使したドジャースは、FAの大物遊撃手を手に入れようとはしないのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・ロハス(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 24, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースは、ミゲル・ロハスの球団オプションを行使したようだ。KPRC2のアリ・アレクザンダーが最初に報じ、ロサンゼルス・タイムズのジャック・ハリスやジ・アスレティックのファービン・アーダヤが続いた。ちなみに、KPRC2はヒューストンのテレビ局だ。

 ロハスは、昨年1月のトレードでマイアミ・マーリンズからドジャースへ移籍した。その時点の契約は、2年1000万ドル(2022~23年)。トレードの翌月にドジャースと交わした1年間の延長契約には、2025年の球団オプション、年俸500万ドル(解約金100万ドル)がついていた。

 2024年にドジャースで遊撃を守った選手は、7人を数えた。ロハスが596.0イニング、ムーキー・ベッツが531.1イニング、トミー・エドマンが127.0イニング、ニック・アーメドが120.1イニング、キーケー・ヘルナンデスが59.2イニング、アーメッド・ロザリオが10.0イニング、ギャビン・ラックスは1.1イニングだ。彼らのうち、現時点でドジャースに在籍しているのは4人だ。アーメドとロザリオは、シーズン途中にドジャースを去った。キーケーは、今オフ、FAになった。

 ロハスは、守備イニングだけでなく、遊撃手としての先発出場も、このなかで最も多かった。ロハスの67試合は、ベッツの61試合を凌ぐ。

 もっとも、ロハスの出場が増えたのは、ベッツが6月16日に死球を受け、左手首を骨折した後だ。

 現時点のメンバーからすると、2025年の遊撃は、エドマンがメイン、ロハスはサブではないだろうか。8月12日に復帰したベッツは、遊撃には戻らず、ライトを守った。ラックスは、二塁を定位置としている。

 もっとも、エドマンは、遊撃よりもセンターの守備につくことのほうが多かった。来シーズンは、主にセンターを守ることもあり得る。その場合は、ロハスが遊撃ということも考えられるが、ロハスは来年2月に36歳となる。今オフ、ドジャースが新たな遊撃手を手に入れる――あるいは手に入れようとする――可能性は、ロハスの残留が決まった後も、消滅してはいないはずだ。

 今オフのFA市場に出ている遊撃手には、ウィリー・アダメス(前ミルウォーキー・ブルワーズ)がいる。アダメスは、2024年に打率.251と出塁率.331、32本塁打と21盗塁、OPS.794を記録した。二桁盗塁のシーズンは他に皆無ながら、30本塁打以上は2度目。2021年以降のホームランは、25本、31本、24本、32本なので、ここ4シーズンの平均は28.0本となる。

 2024年の守備スタッツは芳しくなく、DRSが-16、OAAは0だが、その前の2シーズンは、2022年が9と10、2023年は8と16だった。現在の年齢は29歳。9月に誕生日を迎えた。

 ロハスが2024年に記録した出塁率.337は、わずかにアダメスを上回るものの、ホームランは2021~24年の計499試合で26本に過ぎない。ロペスのシーズン本塁打は、2018年の11本が最も多い。

 他のポジション、特に外野をどうするのかにもよるが、ドジャースがアダメスとの契約に乗り出しても、不思議ではない気がする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事