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三角トレードで3球団が捕手を獲得する。ゴールドグラブ捕手、オールスター捕手、控え捕手!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マニー・ピーニャ(左)とアンソニー・リゾー Apr 2, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブス、ミルウォーキー・ブルワーズ、オークランド・アスレティックスの3球団が、三角トレードを成立させた。

 ブレーブスは、アスレティックスから捕手のショーン・マーフィーを獲得した。ブルワーズは、ブレーブスから捕手のウィリアム・コントレラスと投手のジャスティン・イェーガー、ブルワーズから投手のヨエル・パイヤンプスを手に入れた。アスレティックスが得た5人は、捕手のマニー・ピーニャ、投手のカイル・ミューラーマーラーフレディ・ターノックローバー・サリーナスがブレーブスから、外野手のエステウルリー・ルイーズはブルワーズからだ。

 ブレーブスがマーフィーを手に入れた理由は、今月上旬に「ベテランと若手のオールスター捕手2人がいるのに、トレードで捕手を獲得しようとする理由はどこにあるのか」で書いたとおりだ。アスレティックスが求める見返りを満たすために、ブルワーズを巻き込んだ三角トレードになったのだろう。

 三角トレード自体がそうあるわけではないが、今回の場合、3球団とも捕手を獲得している(放出したのは、アスレティックスが1人、ブレーブスは2人だ)。前例があるかどうかはわからないが、極めて珍しいことではないかと思う。

 28歳のマーフィーは、2021年にゴールドグラブを受賞した。クリスマス・イブに25歳となるコントレラスは、今年のオールスター・ゲームに選出された。来年6月で36歳のピーニャは、どちらの経験もなく、2017~18年は、それぞれ83試合と84試合でスタメンマスクをかぶったが、基本的には控え捕手として過ごしてきた。

 来シーズン、マーフィーとコントレラスは、新天地で正捕手を務めるか、併用の2人体制であっても、その1番手としてプレーするはずだ。後者の場合、ブレーブスはマーフィーとトラビス・ダーノー、ブルワーズはコントレラスとビクター・カラティニだろう。

 一方、ピーニャは、シェイ・ランガリアーズの控えか、2人体制の2番手だと思われる。ただ、ランガリアーズは、今年の夏にメジャーデビューしたばかりだ。終わってみれば、ピーニャがチーム最多のスタメンマスク、ということもあり得る。

 ちなみに、今春の時点では、ピーニャもランガリアーズもブレーブスにいた。ランガリアーズは、2019年のドラフトでブレーブスから全体9位指名を受け、今年3月に、マット・オルソンの交換要員の一人として、ブレーブスからアスレティックスへ移籍した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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