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【NHL】守護神!キャプテン!ヘッドコーチ! 全て手放したアリゾナコヨーテスの仰天プランとは?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
フェニックス時代からアリゾナコヨーテスの守護神を担っていたGKマイク・スミス(写真:ロイター/アフロ)

今季のNHLは、各賞の発表と表彰を行う「アウォード」と、新チーム・ベガスゴールデンナイツの「エクスパンションドラフト」が終了。

シーズンを締めくくるイベントが済んだのに続いて、昨日(現地時間)NHLから来季の日程が発表されました。

▼来季の開幕は10月4日

来季のレギュラーシーズンは、10月4日にウィニペグ、ピッツバーグ、エドモントン、サンノゼで開幕。

クリスマスブレイク(12月24~26日)と、タンパで開催されるオールスターウィークエンドのブレイク期間(1月26日~29日)を挟み、4月7日まで、31チームが82試合(総計1271試合)を戦います。

新たに加盟するベガス ゴールデンナイツの開幕戦は、10月6日のダラスでの試合。

T-モバイルアリーナで行う ”ベガス初めてのホームゲーム” は、開幕3試合目の10月10日となります。

▼5年連続プレーオフ進出を逃したチームと対戦

T-モバイルアリーナでの初戦は、早くもチケット争奪戦の話題も飛び交っているほどで、スタンドが超満員になるのは間違いなし!

相手チームにとっては ”超アウェイの戦い” を強いられますが、その役割を引き受けなくてはならないのは、アリゾナ コヨーテス

今季まで5年続けてプレーオフに進めずにいるチームが相手とあって、気の早いベガスファンは、もう祝杯を挙げるお店を探しているかもしれません !?

NHLへの新規加盟申請の3ヶ月前には、既にシーズンシートの半数以上の予約があったというだけに、開幕戦のみならず、ベガスのホームゲームは超満員になりそうです。

▼大きな動きが続くアリゾナ

対して、ベガスの最初のホームゲームの相手となるアリゾナは、ここのところ大きな動きが相次いでいます。

まず先週に、2011年から守護神の座を担い続けたGKのマイク・スミスを、カルガリーフレイムスへトレード

続いて今週は、2003年からキャプテンを務めてきたシェーン・ドーンとの契約満了に伴い、新たな契約を結びませんでした。

▼ファンを沸かせるチームの顔を放出

スミスは、今年のオールスターゲームに出場。しかもGKなのに、オールスターゲームでゴールを決めるという離れ業をやってのけ、大きな話題になった選手。

一方のドーンは、前身のチームから含め、アリゾナ一筋にプレーを続けてきたキャプテン。

このように、他のチームのファンにも、その名を知られている「アリゾナの顔」を手放す決断を下したのです!

▼指揮官との契約も終了

さらにアリゾナは、2009年からチームを率い続けて来たデイブ・ティペットヘッドコーチとの契約を延長しないことを、昨日発表。

攻守の柱だった二人の主力選手だけでなく、ワールドカップでカナダ代表のコーチも務めた指揮官までも、手放してしまうのです!

多くのファンやメディアを驚かせる決断に至った理由を、アンドリュー・バロウェイ オーナー兼チェアマンは、「チームを築いていく方向性に、いくつかの違いがある」と話していました。

バロウェイ オーナー兼チェアマンは、絶対的なリーダーであるドーンとの契約を打ち切った際にも、「チームは若くて才能にあふれた選手たちと、明るい将来へ向かって進む時にきている」と語ったとおり、アリゾナは変化を遂げる時期に差し掛かったようです。

▼10年連続最下位のアリゾナ

「変化を遂げる時期に差し掛かった」のであれば、チームの顔ぶれだけでなく、人気と注目度アップにも注力して欲しいところ。

と言うのも、筆者サイトに掲載したKHLとNHLを比較した先日の記事で紹介しましたが、アリゾナのホームゲームの平均観客動員数は、ウエスタンカンファレンスのチーム(今季まで14チーム)の中で「10年連続最下位」

同じウエスタンのチームと比較すると、リーグトップの集客を誇るシカゴブラックホークス(平均21751人)の6割ほどの観客動員数(13094人)です。

しかも、シーズンシートを購入しながら、ほとんど観戦に来ないファンや、リセールス(転売)サイトへ出しながら、売り手がつかないチケットも多い模様。

そのため、ヒラリバーアリーナでのホームゲームは、、、

閑古鳥が鳴く試合も多いアリゾナのホームゲーム(Photo:Jiro Kato)
閑古鳥が鳴く試合も多いアリゾナのホームゲーム(Photo:Jiro Kato)

長年にわたって、閑古鳥が鳴く試合が多く見られます・・・。

▼アリゾナの仰天プランとは?

地元メディアによると、このような状況を打開しようと、アリゾナは来季から導入する驚くべきプランを打ち出しました。そのプランとは!

「最上階の4つのブロックの座席を販売しないで、立ち入り禁止にする」

のだそうです。

当該エリアの今季のシーズンシートを購入していたファンには、同等のシートを提供することを約束していますが、まるで「臭い物に蓋をする」かのよう。

これでは根本的な解決策に、なっていないように思えるのですが・・・。

22歳のマックス・ドミ、21歳のクリスティアン・ドボラックら若手FWの活躍も目を引くだけに、「守護神!キャプテン!ヘッドコーチ! 全て手放したアリゾナコヨーテス」のホームゲームが、来季は連日満員になるのか !?  大いに注目されます。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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