幻の「野手登板」。マウンドには行ったものの…
6月4日、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、5点ビハインド(4対9)で迎えた9回表に、この日7人目の投手(先発投手を含む)として、ユーティリティの野手、ザック・マッキンストリーをマウンドに送った。けれども、この登板は実現しなかった。
野手の登板には、2020年から新たなルールが加わった。野手が登板できるのは、6点差以上の状況か、延長戦に入った場合に制限された。このルールは、新型コロナウイルスによるシーズン短縮により、2020年は適用されず、2021年の適用も見送られたが、今シーズンから有効になった。
ロバーツ監督は、今シーズンも制限はないままだと思っていた。ビデオ判定を要求する時と同じように、事務局に確認を求めた。
結局、マッキンストリーが登板できないことが判明したため、リリーフ投手のエバン・フィリップスがマウンドに上がり、マッキンストリーは三塁の守備についた。フィリップスは、無失点でイニングを終わらせた。マッキンストリーのところへ、打球は飛ばなかった。
マッキンストリーは、メジャーリーグ3年目の27歳だ。2016年のドラフトで、ドジャースから33巡目・全体1001位指名を受けた。メジャーリーグとマイナーリーグだけでなく、判明した限りでは、大学時代も登板はしていない。
なお、この点差は、野手を登板させようとするチームのビハインドに限らない。6点差以上であれば、リードしていても構わない。セントルイス・カーディナルスのベテラン2人、アルバート・プーホルスとヤディアー・モリーナが5月に初登板を飾った時の状況は、それぞれ、カーディナルスの13点リード(15対2)と18点リード(18対0)だった。どちらも4失点ながら、3つのアウトを記録し、試合を終わらせた。