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中村太地七段、初のA級昇級に近づくか? 羽生善治九段らは残留を争う 12月22日、B級1組10回戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

「鬼のすみか」と言われるB級1組。13人が総当りで対戦する厳しいリーグ戦はいよいよ終盤戦に入ります。

 12月22日におこなわれる10回戦のカードは以下の通りです。(▲=先手、△=後手)

▲中村太地七段(7勝1敗)-△山崎隆之八段(5勝3敗)

▲澤田真吾七段(5勝3敗)-△横山泰明七段(4勝4敗)

▲近藤誠也七段(5勝4敗)-△千田翔太七段(4勝4敗)

▲久保利明九段(4勝4敗)-△三浦弘行九段(4勝5敗)

▲羽生善治九段(3勝5敗)-△丸山忠久九段(3勝6敗)

△屋敷伸之九段(3勝5敗)-▲郷田真隆九段(1勝7敗)

佐々木勇気七段(6勝3敗)=空き番

 ここまで7勝1敗でトップを走るのは中村七段。過去に王座のタイトルを獲得するなど、すでにA級に上がっていてもおかしくはない実力者です。B級1組を1期で抜けても、なんら不思議はありません。

 過去のデータを調べると、C級2組からB級1組までの4クラスを10期ぐらいで通過し、29歳ぐらいにA級に到達するのが平均的。中村七段は今期で順位戦参加は17期目となります。

 10回戦で中村七段と対戦するのは、5勝3敗で3番手につけている山崎八段です。

 山崎八段は史上最長の23期をかけてA級に上がりました。昨年度、残念ながら1期で陥落となりましたが、今期はA級復帰をねらえる位置につけています。

 中村七段と山崎八段は過去に2回対戦し、1勝1敗。順位戦では初めての顔合わせとなります。

 レジェンド羽生九段は、同世代の名棋士・丸山九段と対戦。羽生九段は名人9期を含めてA級以上29期。丸山九段は名人2期を含めてA級以上14期と、いずれも大変な実績を残しています。

 両者は今期ここまで3勝。当面は残留を目指しての戦いとなります。

 過去の対戦成績は羽生41勝、丸山21勝です。

 今年3月の竜王戦1組2回戦では、丸山九段が勝っています。

 両者は過去にA級で8回対戦し羽生5勝、丸山3勝。B級1組での対戦は初です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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