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週刊誌で相次ぐ愛子さま“お見合い”報道の背後で皇室をめぐり何が進行しているのか

篠田博之月刊『創』編集長
『週刊新潮』3月16日号(筆者撮影)

相次いだ愛子さま報道

 週刊誌でこのところ気になるのが愛子さまに関する報道だ。最初は『週刊女性』3月7日号「愛子さま旧宮家ご子息と御所で逢瀬」だった。思わせぶりな見出しの割に記事に具体性がないため、大きな話題になることはないだろうと当初は思った。

 ただ、その後驚いたのは、同様の報道が『女性セブン』『週刊新潮』と相次いだことだ。『週刊女性』の記事では「旧宮家ご子息」としか書かれていなかった「御所で逢瀬」の相手男性も、後発の2誌では事実上特定されている。

 3月2日発売の『女性セブン』3月16日号の見出しは「愛子さま、お相手候補最有力 旧皇族男子は4才年上早稲田卒イケメン」、9日発売の『週刊新潮』3月16日号は「『愛子さま』御所でお見合い!? お相手は…一石三鳥の最強カードは旧宮家『賀陽家』美男のご令息」だ。

『週刊女性』に続いて『女性セブン』も報道(筆者撮影)
『週刊女性』に続いて『女性セブン』も報道(筆者撮影)

 実は、このお相手男性というのは、以前から噂が出ており、2022年2月に『女性自身』が報じていた。

https://jisin.jp/koushitsu/2062966/?rf=2

急浮上した愛子さまの“婿候補兄弟”男系論者は絶賛も父親と天皇陛下の関係に不安要素

 その記事では、終戦後の1947年に皇籍を離脱した11宮家のうち現在も残るのは東久邇家、久邇家、賀陽家、朝香家、竹田家の5つで、その旧宮家の「賀陽(かや)家」の2人の息子が愛子さまの婿候補だと書かれている。

 ちなみにその前に『週刊新潮』も「『愛子さま』のお婿さん候補 宮内庁格付け第1位! 旧宮家『男系男子』皇籍復帰の最筆頭『賀陽家』とは」と報じていたことも、この記事には書かれている。

親睦を深めると同時に「お相手探し」!?

 1年前の『女性自身』では“婿候補兄弟”とされていたが、今回の報道では候補は弟の方ということになっている。

 その弟と愛子さまが会ったというのが前出『週刊女性』の記事だ。匿名の皇宮警察関係者がこうコメントしている。

「御所におこもりになっている間、とある旧宮家の子孫にあたるご子息と束の間の逢瀬を楽しまれていたようです」

 記事ではそれに続いて「愛子さまが旧宮家の男子と会うこと自体は決して不思議ではない」とも書かれている。ただ匿名の宮内庁関係者によると、こういう事情があるのだという。

「コロナ禍以前は、皇室の方々と旧宮家の一族が、一堂に会される機会が定期的に設けられていました。皇統に属する方々で親睦を深める意味合いが強いですが、女性皇族の“お相手探し”という側面もあります」

 つまり女性皇族の“お相手探し”という意味を含んだ場が以前から設けられていたというのだ。そういう場に愛子さまが参加したというのと、「逢瀬を楽しんでいた」という表現はだいぶ印象が異なるのだが、実際はどうだったのだろうか。

「男系男子」にこだわる人には理想の形

 1年前の『女性自身』などの記事も、今回の記事もちょっと気になるのは、本人同士がどう思っているのかと別に、これは理想の形だと周囲が言っている雰囲気があることだ。

 前出『女性セブン』で匿名の宮内庁関係者がこう強調している。

「賀陽家のご子息は『男系男子』にあたります。『男系女子』の愛子さまと結婚して、その間に男子が生まれれば、その子供は『男系男子』となります」

 男系男子にこだわる人たちから見ると理想的な形だというのだ。『週刊新潮』の記事では麗澤大学の八木秀次教授がこう語っている。

「『皇位継承』『皇族数確保』という二つの観点からも、この上なく理想的なのです」

 この『週刊新潮』の記事では宮内庁関係者が「政府は、すでに意思確認のため賀陽家とコンタクトをとっており、好感触を得ているといいます」とも語っている。

 ただ気になるのは、こんなふうに騒がれれば仮に話が進んでいても潰れてしまう怖れがあるし、そもそも当事者の意思と別に周囲が「理想的だ」と言っている印象が拭えない。

『週刊新潮』の記事には「とはいえ、愛子さまのご意思に反して特定の家系と縁談を進めるようなことはあってはならない」とも書かれているのだが、この間の週刊誌の報道を愛子さまはどう受け止めているのだろうか。

女性皇族と皇位継承問題

 女性皇族をめぐっては、雅子さまの適応障害や眞子さんの結婚バッシング騒動など、当人の意思よりも皇室の伝統が大事とされる事例が続いているように見える。確かに皇位継承は大事だというのはわからないわけではないのだが、そのことと時代の流れとのずれが様々な問題を引き起こしているようにも見える。眞子さんや佳子さまはそういう皇室を不自由とみなしていると言われてきた。

 今回の愛子さまをめぐる騒動も、皇位継承の観点から見れば理想の形といった見方が、どうも当事者たちの意思を抜きにして語られている印象が強い。しかも、その話がこんなふうに週刊誌に漏れて何度も記事になっていくこと自体が、そうなってほしいという意思のもとになされているのではないかといううがった見方さえしてしまいそうになる。

 この間の週刊誌の一連の報道は、背後にどういう事情があるのか。報道がこんなふうに続くのは、何か意味があるのか、それとも同じ情報がグルグル回っているだけなのか。この後の経緯を見ていかなければわからないのだが、当事者の意思を超えて事態が動いていくという印象が拭えないのが気になるところだ。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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