なぜ良い人と悪い人がいるのか:行動理論(強化理論の心理学)から
■悪い人がいる理由は?
世の中には、良い人と悪い人がいます。なぜでしょうか。生まれつきでしょうか。でも、「おぎゃあ」と生まれた時には、善人も悪人もないのではないでしょうか。
心が曇ったり、心が捻じ曲がっていたりとか、心に深い傷があると、悪い人になるのでしょうか。でも、意外と心理学って、安易に「心」を使いません。
心の曇りとか、曲がりとか、傷とかって、具体的に(科学的に)いったい何のか、よくわかりませんよね。
たしかに人には心があります。心について考えることは大切です。でも、心だけで説明してはいけないところもあります。
悪いことをする人は悪い心をもっている人。この説明は、実は何の説明にもなっていません。この人が悪い心をもっていると、なぜわかるのですかと質問すれば、悪いことをしているからですと答えが返ってきます。これって、説明がぐるぐる回るトートロジーです。
■行動理論(強化理論の心理学)
心理学の大きな柱になる理論が、行動に関する強化理論です。強化理論を、ものすごく簡単に説明します。
ある行動をとる→良いことがある(報酬が与えられる)→その行動が増える(学習する、身につける、強化される)
とてもシンプルなのですが、心理学者のスキナーは、この理論で人間の複雑な行動もすべて説明できると言っています(全ての心理学者が言っているのではなく、スキナーは言っているのですが)。
スキナーの行った実験です。
ネズミが、たまたまレバーを押す。レバーを押すとエサが出る。そうすると、ネズミはレバーを押すようになります。
これは、日常的にも見られることですね。
イヌがお手をすると、エサがもらえたり、なでてもらえる。そうすると、お手をするようになるわけです。
人間も、勉強でも音楽でもスポーツでも、それをしたら良いことがあると経験すれば、その行動が身に着くでしょう。ところが、そうしても良いことは何もない、恥をかくだけ、となれば、その行動を避けるようになるでしょう。
といういのが、強化理論です。
さて世の中は、良いことをすれば報酬が与えられ(行動が強化される)、悪いことをすれば報酬は与えられない(行動は強化されない)はずですから、そうすると、みんなが良い人になるはずです。
ところが、子供も大人も良い人も悪い人もいます。強化理論が間違っているわけではありません。では、なぜ悪い人がいるのでしょうか。強化理論の心理学的に考えてみましょう。
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