『BLEACH』朽木白哉の斬魄刀「千本桜」が怖い。逃げても99%の確率で、850枚以上の刃が刺さる!
こんにちは、空想科学研究所の柳田理科雄です。
マンガやアニメ、特撮番組などを、空想科学の視点から、楽しく考察しています。
さて、今回の研究レポートは……。
『BLEACH』の世界では、死神たちが斬魄刀を持っている。
斬魄刀は、それぞれの霊力でできており、「卍解」すると、大きく変形したり、長く伸びたり、空気中の水蒸気から氷を生み出したり……と、個々の死神によってさまざまな能力を発揮する。
数ある斬魄刀のうちで、かなり強くて厄介そうなのが、朽木白哉の斬魄刀「千本桜」だ。
白哉が「散れ 千本桜」と唱えると、刀身が無数の破片に分裂!
花吹雪のように宙を舞って、相手を襲う。
もはや刀の域を超えている「千本桜」である。
この斬魄刀は、どれほどの威力を持っているのだろうか?
◆想像するとコワい!
まずは、刀としての千本桜の実態を明らかにしよう。
こういうときに便利なのが、わが愛刀・正宗である。
もともと『ONE PIECE』ゾロの三刀流の研究で買った摸造刀で、その後も『るろうに剣心』の飛龍閃など、さまざまな刀剣の考察に役立ってきた。
値段は1万850円。切れ味は悪い(切れない)が、費用対効果は素晴らしくよい。
そんなわが愛刀の重量は920g。刀身だけなら750g程度と思われる。
これが、白哉の言葉どおり千に分裂するとしたら、1つ0.75g。
厚さがカッターと同じ0.4mmだとすれば、1枚は1.5cm四方の大きさになる。
カッターの刃を先端から3番目の溝で折ったくらいのモノだと思ってください。
そんなのが、千枚もズザザ~ッと飛んでくる!
しかも、単に投げつけるのではなく、逃げれば追ってくるし、回り込んで行く手をふさいだりもする。
知能の発達した蜂の群れに襲われるようなもので、これは怖い!
人体の表面積は1.6m²といわれる。
そこへ千の破片がすべて命中したら、全身くまなく3.5cmおきに長さ1.5cmの刃が刺さるのだ!
しかもコマの描写を確認すると、いくつかの破片は、相手の体を突き抜けている!
豚肩ロースを用いた実験の結果から計算すると、この大きさの破片が体を貫通するのに必要なスピードは、時速170km。
メジャーリーグの投手を上回る速度で、千枚もの鋭利な破片が飛んでくる……!
もう、想像しただけで泣きそうだっ。
◆どうやっても850個は命中する!
あまりのオソロシさに、ここで考察を終えてしまいたいが、もう少しだけ具体的に考えてみよう。
千枚の破片のうち、どれくらいが命中するのだろうか?
千枚ともなると、バケツでザラッとぶちまけられただけでも、よけられるものではない。
仮に、千枚の刃が直径1mの円に広がって降ってきたとしよう。
とっさに跳びのいても、足の膝から下が、円のなかに残っていたら、76枚も刺さってしまう!
しかも千本桜は、単なるぶちまけではなく、こちらを狙って飛んでくるのだ。外れた刃もUターンして再来襲。
こんな正確かつ執拗な攻撃をされたら、千枚すべてについて、当たる確率は100%……と考えるべきかもしれない。
しかし、それは怖すぎるので、ここでは1枚が命中する確率を90%として計算させてください。
この場合、1枚も当たらない確率は0.1の千乗で10000000000000000……(0が千個)分の1。
え~、これがどんな確率かと申しますと、1等が1千万枚に1枚含まれている年末や夏のジャンボ宝くじで、142回連続して1等を当てるようなもの。
まず、あり得ません。
では、何発くらい食らってしまいそうかというと、平均で900発!
破片が850枚以上当たる確率が99.999972%。
要するに、狙われたらオシマイである。
◆対処方法はないのか?
この恐怖の技から逃れる術はないのだろうか?
そもそも白哉は、どうやって千個の刃を動かしているのか。
千本桜を発動中、白哉は刃の動きを注視していた。敵の動きに「甘い」などと言いながら対応もしていた。
これらから判断するに、破片に「襲え」と命令したら高みの見物、というシステムではなく、自分の意思で動かしていたと思われる。
千もの破片に気を配るとは、恐るべき集中力だ。
しかしその点にこそ、わずかな対処法が見えないだろうか。
筆者のおススメは、千本桜が迫ってきたら、隠し持っていたネオジム磁石(現在いちばん強力な磁石)で、破片の何枚かを捕獲することだ。
多いほどいいが、数十枚程度でも構わない。
それに気づいた白哉は、捕獲された数十枚が操れないことにすぐ気づくだろう。
動かそうとしても、ネオジム磁石にくっついた刃は簡単には動かない。
びゃっくんが「あれ? あれ?」なんて言っているうちに、後ろから忍び寄ってバッサリ……!
モーレツに卑怯だが、そうでもしなければとても対処できません。
千本桜は、本当にすごい必殺技なのである。