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石北本線利用で宿泊費が「最大4,000円」助成! 北海道遠軽町の「鉄道利用促進」への取り組み

鉄道乗蔵鉄道ライター
特急オホーツク・大雪号に使用されるキハ283系(写真AC)

 JR北海道の石北本線沿線の遠軽町では、町外から鉄道で来町し、町内のホテル・旅館に宿泊した方を対象として、宿泊費を最大4,000円助成するという取り組みをおこなっている。助成金額については、鉄道の片道利用で2,000円、往復利用で4,000円を助成するが、鉄道運賃がこの金額に満たない場合は助成対象外となる。

 申請方法は、遠軽町ホームページから申請書をダウンロードし、この申請書に宿泊施設から記名・押印の宿泊証明を受け、身分を証明するものと切符又はその領収書の写しを添付して遠軽町役場に提出する。助成金については、後日、指定の銀行口座に助成金が振り込まれる。なお、申請については郵送でも受け付けているという。助成期間は2024年6月1日から2025年3月31日までとなるが、交付申請額が予算額に達した時点で終了となる。

 札幌から遠軽に行く場合は、特急オホーツク号と特急大雪号が利用できるが、この区間には駅窓口で購入が可能な指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)の設定が残っている。札幌―遠軽間のRきっぷは4月1日から11月30日までの夏料金が9,270円(片道あたり4,635円)、12月1日から3月31日までの冬料金は10,380円(片道あたり5,190円)となる。Rきっぷは、特急オホーツク号、特急ライラック・カムイ号と特急大雪号の乗り継ぎのどちらのパターンでも利用が可能だ。

 また、札幌―遠軽間の特急オホーツク号には、えきねっと割引の設定もあり、こちらは前日までの予約が可能な「特急トクだ値1」の発売額が片道5,550円となっている。

 JR北海道が「単独では維持することが困難な線区」とした石北本線の沿線の中でも遠軽町は、鉄道利用者に対する宿泊費の助成のほかにも、石北本線に対する町民の意識高揚のために町内の小中学生から公募したキャッチフレーズを使用したロゴマークを作成するなど石北本線の活性化に熱心な印象を受ける。背景には、2024年4月1日には道北バスと北見バスが共同運行していた旭川―遠軽間を結ぶ都市間高速バス「特急北大雪号」が運行休止になるなど、鉄道の廃止が地域の交通崩壊に直結しかねない事情があるようだ。

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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