ウクライナで6人戦死、北朝鮮男性「行きたくない」がホンネ
ウクライナの英字メディアであるキーウ・ポストは4日、消息筋の話として、「前日、ウクライナ東部ドネツク近郊のロシア占領地へのミサイル空爆で、北朝鮮の士官6人を含むロシア側兵士約20人が死亡した」とし、「さらに北朝鮮の兵士3人が負傷した」と伝えた。
また、ロシア発のSNS(テレグラム)情報によると、北朝鮮軍の将校と兵士らはロシア軍の訓練を参観中だったという。
(参考記事:【写真】「北朝鮮の不良弾薬が暴発し吹き飛ぶロシア兵」衝撃の瞬間)
ウクライナ東部への北朝鮮の派兵は久しく前から取り沙汰されていた。ロシアの侵略が始まった2022年7月には申紅哲(シン・ホンチョル)駐露大使がドンバスの親露派指導部と接触し、労働者派遣を協議。北朝鮮国内では同時期に、派遣人員の選抜が行われていた。
すでに極東ロシアやモスクワなどに派遣されている労働者の中には、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士の身分のまま、軍傘下の企業によって送り込まれた者が相当数、いると言われている。
同じ構図でウクライナ東部へ送られるとすれば、派遣と派兵の境界はあいまいになる。もっとも、その対象となる北朝鮮の男性たちが、ウクライナ行きを望んでいるわけではない。「ドンバスは戦争状態にありリスクが高いのに、危険な労働を強いられるばかりで報酬が高くない」との噂が流れ、「行きたくない」という人も多いと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2022年8月に報じていた。
(参考記事:「北朝鮮からの弾薬輸送路を爆破」ウクライナの武装組織)
ところがウクライナ情報当局は昨年、工兵部隊を含む北朝鮮軍所属の人材がロシアの占領地域で活動していると伝えた。それに続き今回、「6人戦死」の情報が出たことで、北朝鮮とロシアの協力が想像以上に進んでいる実態が見えてきた。