千葉県「いすみ鉄道」の脱線事故、原因は枕木の劣化!? 2023年には保線不備で関東運輸局より行政指導
2024年10月4日午前8時10分ごろ、千葉県のいすみ鉄道で脱線事故が発生した。この事故を受けて、全線が運休となり現在はバスによる代行輸送が続いている。いすみ鉄道では、10月7日に本社所在地である大多喜町の町役場にて記者会見を実施。報道によると、古竹社長は会見冒頭で謝罪し、事故の原因について「枕木の劣化が事故の一因」と言及。事故の原因が「車両ではなく保線の問題と考えている」という見方を示した。
いすみ鉄道では、鳥塚亮社長の在任中だった2013年12月にも脱線事故を起こしているが、この時の原因も枕木の経年劣化が原因だったという。2018年の鳥塚社長の退任後、2022年ごろからSNS上では保線の不備などが指摘されるようになったことは記事(千葉県のいすみ鉄道で脱線事故 鳥塚社長退任後、SNS上での「保線不備で事故発生」心配の声が現実に…)でも指摘したが、2023年には国土交通省関東運輸局より保線の不備に関する行政指導を受けている。
いすみ鉄道は、毎年約300本ずつ、木製からコンクリート製のPC枕木への交換を進めており、今回の事故現場で問題となった枕木は11月20日までの工期で交換する計画だったという。現在は、運輸安全委員会の鉄道事故調査官が事故原因についての調査を進めている。今後については、9日に重機で列車2両を線路脇に移動させ、枕木と線路を交換。10日以降に車両を車両基地のある大多喜駅まで移動させ、今月末の運転再開を目指す。
鳥塚亮氏が社長に就任した2009年以降、いすみ鉄道は、訓練費700万円を自己負担することを条件にした鉄道車両の運転免許を取得できる運転士採用プランや、JR西日本から購入した国鉄型気動車のキハ52形やキハ28形による「観光急行列車」の運行などが大きな話題を呼び、全国区の知名度を誇る鉄道会社となった。沿線地域活性化の観点からも、いすみ鉄道が復活し地域のために末永く運行されることを願いたい。
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